2022 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling autism spectrum disorders with iPSC derived from patients and model mice
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21H02628
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中澤 敬信 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (00447335)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 自閉スペクトラム症 / 脳オルガノイド / 神経細胞の発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症の分子病態を理解するためには、より実際の患者脳に近い系で病態を解析することによりヒト(患者)細胞レベルの解析の妥当性を高め、マウス個体レベル・ヒト病態レベルの解析に有用なものにしていくことが必要であると考えています。本研究では、疾患との関連性が高いことが期待される遺伝子変異の表現型を、細胞レベルの解析のみならず、患者iPS細胞由来3次元脳オルガノイド等を用いて明らかにし、その妥当性をこれまでに開発してきた疾患モデルマウスや大規模患者リソースで評価する計画です。本年度は、3次元脳オルガノイドの特定の脳領域への分化を実施するために、POGZ変異による脳機能異常の領域特異性を調べました。特に、これまでの研究結果から、前帯状皮質領域に注目しました。その結果、野生型マウスの前帯状皮質において、社会行動の際に活性化する神経細胞の活動をDREADDシステムを用いて抑制したところ、社会行動が大きく低下することが明らかになりました。次に、社会行動の際に活性化する前帯状皮質の神経細胞の投射パターンを調べました。その結果、野生型マウスにおいては、扁桃体、視床下部、線条体などへの投射が確認されたが、POGZ変異マウスでは、扁桃体への投射がほとんど見られないなどの異常が観察されました。これらの結果は、POGZ変異マウスでは、前帯状皮質が形成する神経回路網の発達異常、もしくは機能異常があることを示唆しており、脳オルガノイドを用いたPOGZ遺伝子座の変異に起因する神経発達異常の分子病態研究において、前帯状皮質に注目することの重要性が示唆されました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
POGZ変異を持つ患者由来の脳オルガノイドの分化実験のための基礎データを蓄積することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
自閉スペクトラム症と関連する遺伝子変異の表現型をiPS細胞由来脳オルガノイドを中心として、妥当性の高い疾患モデルマウスも用いてさらに解析し、自閉スペクトラム症の明確な分子病態を明らかにしていく計画である。
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[Presentation] Intranasal oxytocin administration suppresses social contactinduced neural activity in a POGZ-Q1038R2022
Author(s)
Kitagawa K, Baba M, Takemoto T, Tanuma M, Hayashida M, Yamaguchi S, Ago Y, Seiriki K, Hayata-Takano A, Takuma K, Kasai A, Hashimoto H, Nakazawa T
Organizer
SfN meeting 2022
Int'l Joint Research