2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Molecular Sorting Mechanisms using Cryo-electron microscopy
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21H02654
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小田 賢幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20569090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 春明 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (70466803)
新森 英之 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (40311740)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / 繊毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑藻Chlamydomonasを用いて繊毛タンパク質動態およびチューブリンの翻訳後修飾について2つの成果を得た。 1. pHショックによる鞭毛喪失後の鞭毛再構築過程で、鞭毛タンパク質を積極的に合成することを明らかにした。従来、新規合成鞭毛タンパク質の追跡には放射性同位体が用いられていたが、本研究では、抗生物質puromycinを新規合成ペプチドに取り込むことを利用した、非放射性のSUnSET法を開発した。SUnSET法を用いることで、Chlamydomonasにおける鞭毛への新規タンパク質取り込みを可視化する強力なツールが得られた。 2. α-チューブリンとβ-チューブリンはC末端にグルタミン酸リッチな非構造領域(CTT)を持ち、その機能はまだ明らかでないが、繊毛の運動に影響を与える翻訳後修飾の部位として働いている。Chlamydomonasは、同一のタンパク質をコードする2つのα-チューブリン遺伝子と2つのβ-チューブリン遺伝子のみを持っている。この単純な遺伝子構造により、野生型チューブリンを変異型に完全に置き換えることが可能になる。本研究で、CRISPR/Cas9を用いて、CTTが修飾されたチューブリンを発現する変異株を作成した。α-チューブリンのCTTの4つのグルタミン酸残基がアラニンに置換された変異株では、ポリグルタミル化チューブリンがほぼ消失し、麻痺した繊毛を示した。対照的に、β-チューブリンのCTTのグルタミン酸リッチ領域を欠いた変異株は、中心装置を欠いた短い繊毛を形成した。この表現型は、β-チューブリンのCTTに依存するカタニンサブユニットの変異株と類似している。この研究により、α-およびβ-チューブリンのCTTが繊毛の形成と機能において異なる重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、一つの論文を投稿中であり、3つの論文を投稿準備中である。進捗状況は概ね問題無いと考える。電子顕微鏡用構造ラベル法は既報のMtn金ラベルのプロトコルを改変し、より再現性の高い方法を開発した。すでに共同研究者によって様々な応用が行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.現在、繊毛内タンパク合成系の存在を確定させるためにSUnSET法に加えてexpansion microscopyやcryo-electron microscopy、RNA-sequencingなど様々な実験系を駆使して研究を継続する。すでに繊毛内にrRNAやmRNA,tRNAが存在することが検出されており、これらが細胞質からのコンタミによるartifactではないことを確認する。 2.クライオ電子トモグラフィーで得られた三次元トモグラム内で特定の分子の位置を同定するためにferritin cageを用いた新規ラベル法を開発する。中国のグループにより発表されたMtn金ラベル法は試料を固定する必要があるためクライオ電子顕微鏡に応用できないが、この技術が完成すればferritin cageとその内部のmetal coreによって分子の位置をはっきりと同定することが可能になる。すでにin vitro系で結果が得られており、今後in vivoに実験系を発展させる。
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Research Products
(4 results)