2021 Fiscal Year Annual Research Report
Role of electron transport chain in tissue formation
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21H02671
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
新谷 紀人 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (10335367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / FMC1 / 副甲状腺ホルモン / 脳ヘルニア / 致死性骨異形成症 / 白色脂肪 / LYRM / 遺伝子欠損マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者が世界に先駆けて研究を進めるミトコンドリア蛋白質FMC1に注目し、本分子とその関連蛋白質とで制御されるミトコンドリア電子伝達系が、組織の発生・形成においてどのような役割を担うのかを明らかにすることを目的として実施し、初年度の2021年度は以下の成果を得た。 1) 副甲状腺ホルモンによるFMC1-KOマウスの致死性改善効果について更に解析した結果、驚くことに、本マウスの直接の死因と想定していた脳ヘルニア様の表現型(頭蓋骨癒合の不全)は改善されないことが明らかになった。よってこの表現型は、類似の表現型を示す動物(致死性骨異形成症のモデル動物)と同様、肋骨等の変化と関連する可能性が示された。 2) FMC1-KOマウスの顕著な表現型のひとつである白色脂肪組織の著明な減少についてRNAseqによる網羅的発現解析を行った結果、脂肪の分化や脱分化の指標となるマーカーには変化が見られない一方、脂質代謝酵素群に一定の方向性を持つ変化を見出した。 3) FMC1関連タンパクであるLYRMファミリーについて個体レベルでの半網羅的発現確認を行った結果、FMC1と特定のLYRM分子が共発現する組織を同定し、かつFMC1-KOマウスではこれらのLYRM分子が代償的なアップレギュレーションを示すことを見出した。またこれらLYRM分子のうち3種について、CRISPR-Cas9システムによる遺伝子欠損マウスの作製を達成した。 以上より、FMC1のin vivoにおける作用機序の一端が明らかになると共に、FMC1とLYRM分子との相互作用に関する知見およびそれを解析するための研究ツールを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行に伴い、遺伝子改変動物の作製担当業者との連絡が途絶えてしまう等の事態に陥ったが、作製担当を変更することで無事、当初の目的を達成することが出来た。しかしこの対応に約1年間の研究期間延長を要したため、他の研究項目は順調に推進されているが、この研究項目のみが遅れている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに作製した遺伝子改変動物の繁殖体制を早急に整えることが急務であり、特にこの点に注力をしつつ研究を進める。
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Research Products
(7 results)