2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規リビトールリン酸修飾の分子基盤の解明と筋ジストロフィー治療法開発への展開
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21H02685
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
金川 基 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (00448044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬谷 博 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (20321870)
永森 收志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90467572)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖鎖 / ジストログリカン / 筋ジストロフィー / リビトール |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが発見した新規の翻訳後修飾体であるリビトールリン酸は、筋や神経組織で重要な生理的役割を担っており、その異常は筋ジストロフィーや滑脳症などの原因になる。申請者らは更に、機能不明だった4つの筋ジストロフィー原因遺伝子産物(フクチン、FKRP、ISPD、TMEM5)がリビトールリン酸修飾に関わる酵素であることを明らかにしてきた。一方で、リビトールリン酸修飾に必要な前駆体であるCDP-リビトールの合成経路や修飾酵素が働くゴルジ体への輸送経路、また、リビトールリン酸というユニークな修飾が誤ることなく特異的に進行する仕組みについて、不明な点は多く残されている。加えて、リビトールリン酸異常症の有効な治療法は依然として存在しない。本研究では、リビトールリン酸修飾の分子基盤を明らかにし、得られた学術的知見に基づく治療法を確立することを目的とする。具体的には、①CDP-リビトール生合成経路の解明、②CDP-リビトール輸送体の同定、③リビトールリン酸修飾の特異性を決定する仕組みの解明、④修飾分子基盤を応用した治療法の構築、を実施する。本年度は、リビトール補充療法のひとつとしてプロドラッグ化したCDP-リビトールを作出し、ISPD遺伝子欠損マウスへ投与し、筋ジストロフィー病変の治療効果 を報告した。更に、ISPD遺伝子の点変異マウスを作出し補充療法の検証に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
治療研究は順調に進展している。リビトール生合成経路についても関連酵素の同定が進んでおり順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
①CDP-リビトール生合成経路の解明、②CDP-リビトール輸送体の同定、③リビトールリン酸修飾の特異性を決定する仕組みの解明について分担者との連携をとりつつ論文としてまとめる方向である。④治療研究についても補充療法の効果を評価し論文として報告する予定である。
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