2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規に開発した基質同定法を用いたがんドライバーユビキチンリガーゼの機能解析
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21H02690
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 昌 北海道大学, 医学研究院, 講師 (10632424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 豪 北海道大学, 医学研究院, 助教 (10712705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ユビキチンリガーゼTRIM22によるMHCクラスII発現の制御 乳がんなどのある種の癌でMHCクラスII発現は生存期間と負の相関があることが知られている。また、免疫チェックポイント療法の有効性にも重要な役割を果たしていることが報告されている。本研究では、ユビキチンリガーゼTRIM22がMHCクラスIIの発現を負に制御していることを見出した。MHCクラスIIの発現はマスターレギュレーターであるCIITAを介した転写機構や分解によって制御を受けていることが過去に知られているが、TRIM22によるMHCクラスIIの負の制御は転写や分解によるものではなく、翻訳制御にあるものと思われた。直接の基質候補として翻訳制御因子であるmTORを得たが、少なくともユビキチン化は介していないという結果を得ている。 (2)一次繊毛の形成や機能を制御するタンパク質を基質候補とするユビキチンリガーゼ あるユビキチンリガーゼについて、一次繊毛の形成や機能を制御するタンパク質を基質候補としていたため、各ユビキチンリガーゼが一次繊毛の形成や機能にどのような影響を与えるかについて解析を行った。一次繊毛の形成効率の高いマウス線維芽細胞NIH3T3、腎臓内髄質集合管細胞mIMCD3、ヒト不死化網膜色素上皮細胞hTERT-RPE1を用いて、各ユビキチンリガーゼのノックダウンまたはノックアウト細胞株を樹立し一次繊毛の形成効率を解析した。一次繊毛はヘッジホッグシグナルの足場として重要であることが知られているため、ヘッジホッグシグナルへの影響を解析し、ユビキチンリガーゼの有無による機能の変化を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験が概ね遂行できており、今年度に得られた知見を元に来年度もさらに研究を進展させる段階にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
基質候補が得られたユビキチンリガーゼについて、さらに解析を進め、基質のユビキチン化を介したがん細胞機能制御メカニズムについて解析を行う。
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