2023 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症治療薬創出を見据えた自然免疫応答増幅因子LINCRの生理的病理的役割の解明
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21H02691
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野口 拓也 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (20431893)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自然免疫応答 / Toll-like receptor4 / MAP キナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン化酵素LINCRは、TLR4の下流で誘導される分子として発見されたが、その機能はほとんど解析されていない。我々は機能未知のLINCRに着目して研究を進め、LINCRがTLR4シグナルの「増幅」に重要な役割を果たしていることを発見した。LINCRが敗血症の病態形成に深く関わると考え、本研究では、LINCRによるTLR4シグナル増幅機構とその生理的病理的役割の解明を目指した。まず、LINCRの欠損により炎症性サイトカインの産生が優位に低下したことから、LINCRは炎症応答を増幅するという生理的役割があることが示唆された。また、LINCRによるTLR4シグナルの「増幅」には、LINCRのタンパクレベルにおける安定化制御が重要であることを見出した。特に、LINCRの発現制御機構の解析で、LINCRは定常的に自己ユビキチン化を介して分解され、発現が低く保たれていることが判明した。一方で、LINCRはTLR4シグナルの活性化に伴い、脱ユビキチン化酵素を介して自己ユビキチン化が抑制され、プロテアソーム分解を回避することで安定化している可能性が示唆された。即ち、LINCRによるTLR4シグナルの「増幅」は、LINCRを脱ユビキチン化する酵素によって規定されていると考えられた。そこで、LINCRの脱ユビキチン化を担う責任酵素を同定するために、ヒトに発現する脱ユビキチン化酵素96種類について、それぞれのsiRNAを用いてLPS依存的なLINCR安定化への影響を評価した。その結果、ノックダウンによりLINCRの安定化が抑制される遺伝子として、3種類の脱ユビキチン化酵素を同定した。次に、候補となる3種類の脱ユビキチン化酵素について、LINCRの発現量への影響を評価した。その結果、LINCRの安定化を制御する一つの脱ユビキチン化酵素を同定に成功した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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