2022 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Allergin-1 ligand in the food anaphylaxis model
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21H02709
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田原 聡子 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (20360589)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgE / 食物アレルギー / 肥満細胞 / 好塩基球 / アナフィラキシー |
Outline of Annual Research Achievements |
食物アレルギーは、食物抗原と抗原特異的IgE抗体の免疫複合体がマスト細胞からの脱顆粒を誘導することにより惹起される。しかし、小中高生の約0.5%が罹患する食物アナフィラキシーの発症機序の詳細は明らかではないことから、発症機序の解明と予防法の確立は重要な課題である。申請者は、食物アナフィラキシーの発症には好塩基球の過剰な活性化が深く関与しており、それがAllergin-1抑制性免疫受容体により制御される機序を明らかにした(Lin H. et al, Int Immunol, 32: 213, 2020)。この知見は、Allergin-1のリガンドが食物アナフィラキシーの予防における標的分子となりうる可能性を示唆する。本申請課題の研究目的は、食物アナフィラキシーモデルにおけるAllergin-1リガンドの生理的機能及びAllergin-1リガンドによる発症予防効果を明らかにすることである。 令和3年度までにAllergin-1リガンドリコンビナントタンパクを大量調整し、接触性過敏症モデルを検証し、Allergin-1 リガンドタンパクがAllergin-1依存的に接触過敏症の症状を抑えることを明らかにした。令和4年度ではIgE依存性の1型アレルギー応答におけるAllergin-1リガンドタンパクの治療効果について検証した。野生型およびAllergin-1遺伝子ノックアウトマウスをIgE抗体で耳介に皮内投与したのち、Allergin-1リガンドタンパクを皮内投与し、その後アレルゲン投与により耳介の腫脹を誘導した。その結果、Allergin-1リガンドタンパクはAllergin-1依存的に1型アレルギー症状を抑える結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IgE依存性局所アナフィラキシーモデルにおいて、Allergin-1 リガンドタンパクを皮内投与することでAllergin-1依存的に耳介の腫脹が抑制された。さらに、リガンドノックアウトマウスを用いてAllergin-1リガンドの1型アレルギー応答における生理的役割を検証した結果、リガンドノックアウトマウスはAllergin-1ノックアウトマウスと同様に1型アレルギー症状が増悪する結果を得た。 また、バイオレイヤー干渉法によりヒト及びマウスAllergin-1リコンビナントタンパクがAllergin-1リガンドタンパクと マイクロモルレベルの親和性を持つことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では以下を検証する。 1、リガンド遺伝子欠損マウスを用いた食物アナフィラキシーモデルを検証する。 2、リガンドタンパク投与により食物アナフィラキシー予防効果を検証する。
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