2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳Treg・ミクログリアの相互作用による脳組織修復促進メカニズムの解明
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21H02719
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 美菜子 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70793115)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中の再発率は再発予防の導入により以前にかなり低下したが、最近は改善が認められない。脳梗塞の再発を繰り返しても、自己免疫疾患につながる可能性は低く、なんらかの免疫寛容が働いている可能性も考えられる。FOXP3+制御性T(Treg)細胞は、免疫寛容を維持することにより自己免疫疾患を抑制する。我々は以前、Tregが脳梗塞の慢性期に脳組織特異的な特徴を獲得し、神経症状の回復に寄与することを報告した。しかし、脳梗塞再発時におけるこれらのTregの意義はまだ明らかではない。我々は、脳梗塞を経験したTregが、脳梗塞再発時における炎症と梗塞体積を減少させる役割を果たすことを明らかにした。第一に、脳梗塞の慢性期の末梢血中のTregは、脳組織のTregの特徴に近い表現型に変化することが分かった。第二に、再発脳梗塞で初発脳梗塞と同じ抗原を認識したTregは、より容易に再発巣に浸潤した。このように、Tregは再発時に急速に脳に浸潤し、免疫抑制と組織修復に寄与した。さらに、オキシトシンは脳梗塞後に増加し、組織の修復と炎症の抑制に重要な役割を果たした。脳梗塞は神経障害の主な原因であるが、予防ワクチンはなく、慢性期のリハビリテーション以外に有効な回復方法はほとんどない。今回の知見は、Treg転換とオキシトシン上昇が、組織修復と炎症抑制だけでなく、脳梗塞後の炎症の予防法としても新規のアプローチとなる可能性を示唆している。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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