2023 Fiscal Year Annual Research Report
食品由来の強力な自然免疫活性化能を示す新規物質の作用機序解析
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21H02733
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
関水 和久 帝京大学, 薬学部, 教授 (90126095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 惇嗣 帝京大学, 付置研究所, 講師 (40818308)
浜本 洋 山形大学, 医学部, 教授 (90361609)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / 自然免疫 / カイコ / 緑膿菌感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
カイコを用いた緑膿菌感染症モデルにおいて、発酵食品素材に用いられている微生物(Lactobacillus spp. and Weissella hellenica)に、immune priming活性(前投与によってカイコに感染抵抗性を付与する生理活性)が見出された。乳酸菌W. hellenica培養上清の上記生理活性は特に顕著で、経口でカイコおよびマウスに対して緑膿菌感染抵抗性を与える活性(immune priming活性)を示した。W. hellenica由来の物質を精製したところ、四糖体ペプチドグリカン様化合物群(Weissellikaikocin, WK2108) が活性物質として同定され、その化学合成品にimmune priming活性が認められた。W. hellenica由来に対するカイコ脂肪体(免疫担当組織)の遺伝子発現変動をRNAseq法により解析したところ、WKに応答して発現上昇する16の遺伝子が同定された。 以上の結果は、W. hellenicaが産生する可溶性小分子ペプチドグリカン WKが自然免疫系を刺激し、動物に個体レベルでの感染抵抗性を導くことを示唆している。 本研究の実施により、WH2108を大量に精製し、その全構造を決定することができたので、活性の本体は四糖体ペプチドグリカン様化合物群(Weissellikaikocin, WK2108) およびその類縁化合物であること、並びに精製標品にimmune priming活性があることが明らかとなり、WH2108の緑膿菌感染抑制作用のメカニズムの理解が進んだ。本研究においては、WH2108の作用をRNAseqにより、WH2108を投与したカイコの遺伝子発現変動解析を実施し、WH2108により発現誘導される遺伝子を同定することができた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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