2021 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復分子の核内輸送機構を標的とする新たな合成致死がん治療の開発基盤研究
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21H02759
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中西 啓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50321790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | BRCA2 / KPNA7 / Importinβ / 核輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、KPNA7(Karyopherin αまたはImportinα)の機能を阻害する低分子化合物を見出すため、遺伝性乳がん原因遺伝子BRCA2の核移行及び核内のDNAの損傷修復を阻止する研究開発を目指すものである。 BRCA2は、核内でDNA損傷修復やゲノムの安定性維持に関わる重要なタンパク質であるが、BRCA2の核輸送メカニズムは未だ明らかにされていない。そこで、当初の予定にしたがってBRCA2の核輸送メカニズムの解析を試みた。 BRCA2は、C末端に2つの核移行シグナル(NLS)を有し、このNLSを介して核へ輸送される。我々は、これまでBRCA2と相互作用するタンパク質の中に核内輸送体であるKPNA7を見出した。KPNAは、ヒトにおいて、7つのサブタイプが存在し、Importinβと複合体を形成して標的タンパク質を核に輸送する。Importinβは核輸送因子であり、核と細胞質間を隔てる核膜孔複合体と相互作用することによって、タンパク質を核へ輸送する。 今回、我々は、KPNA5とKPNA7のMajor NLS結合領域が、BRCA2と相互作用することを明らかにした。また、KPNA1から7全てを発現するU2OS、MCF7細胞において、siRNAによるKPNA7ノックダウンは、BRCA2の核局在を阻害した。一方、KPNA7を発現しないHeLaS3細胞では、KPNA5の発現抑制がBRCA2の核局在を阻害した。さらに、ImportinβノックダウンU2OS細胞は、KPNA7とBRCA2の核局在が阻害された。KPNA7は、BRCA2とImportinβと相互作用して、BRCA2とImportinβは相互作用しなかった。これらの結果は、BRCA2がKPNA1~7の中で優先的にKPNA7と結合し、Importinβと複合体を形成することで核へ輸送されることを示唆した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(1 results)