2023 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌オルガノイドライブラリーを用いた肺癌シグナル経路異常の解明
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21H02765
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (70365261)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺癌 / シグナル経路異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、患者由来肺癌オルガノイドライブラリーを活用し、肺癌細胞における分子異常(遺伝子変異や遺伝子発現異常)が肺癌細胞のシグナル経路異常・依存性を規定するメカニズムを解明するとともに、肺癌細胞が特異的に依存するシグナル経路・遺伝子を同定することである。 本報告書作成時点で200ラインを超える患者由来肺癌オルガノイドの樹立を行った。樹立した肺癌オルガノイドに対しては、次世代シークエンサーを用いた全エクソーム解析、RNAseqを行い、分子異常の詳細な把握を行った。また、培養液中の増殖因子を除くことで肺癌細胞の増殖に重要なシグナル経路を明らかにするニッチ依存性解析を行った。ニッチ依存性解析に関しては、肺癌のみでなく、非癌肺細胞に対しても行い、気道上皮あるいは肺胞上皮と肺癌細胞のシグナル経路依存性の違いを検証した。これら解析の中で、肺胞上皮細胞が、EGF経路およびWNT経路に強く依存して増殖することを明らかにした。さらに、肺癌オルガノイドが増殖に依存するシグナルと分子異常の関係を明らかにした。具体的には、肺腺癌のうちTTF1陰性肺腺癌が、肺にとって重要な転写因子であるTTF1の発現を消失することで腸管様の遺伝子発現プロファイルを呈し、WNT経路に依存して増殖することを見出した(Ebisudani T, et al. Cell Rep 2023)。また、これらTTF1陰性肺腺癌に対してWNT経路を標的とした治療戦略が有効である可能性をin vitroおよびin vivoで検証し明らかにした。さらに、樹立した肺癌オルガノイドに対してCRIPR/Cas9 knockoutライブラリーを用いた肺癌細胞特異的依存遺伝子の同定を行った。複数ラインの小細胞肺癌オルガノイドに対して行って検討では、小細胞肺癌細胞が特定の転写因子に依存していることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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