2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nano-therapeutic agents to overcome immune checkpoint inhibitor resistance due to tumor stroma of intractable cancer
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21H02774
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Research Institution | Kawasaki Institute of Industrial Promotion Innovation Center of NanoMedicine |
Principal Investigator |
喜納 宏昭 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主幹研究員 (70283067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Cabral Horacio 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (10533911)
劉 学瑩 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 研究員 (30777470)
Quader Sabina 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主任研究員 (90749699)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腫瘍間質 / 併用 / エピルビシンミセル / 抗PD-1抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治癌の腫瘍間質による免疫チェックポイント阻害剤耐性を克服するナノ治療薬の開発を行った。本年度は、モデルの作製とすでに臨床第一相に進んでいるエピルビシンミセルと免疫チェックポイント阻害剤の併用による前臨床での効果の検証を行った。 まず、腫瘍間質の発達したマウス膵臓癌モデルを作製した。トランスジェニックマウス(Kras G12D/+ , LTrp53 R172H/+)から癌化したKPC細胞を取り出し、KPC細胞にルシフェラーゼ導入を行った。その細胞を同系統のマウスの膵臓に移植し、モデルを完成させた。その結果、同所移植したがん細胞のまわりは、免疫染色によって、腫瘍間質の主成分であるCollagen, Hyaluronanが豊富に存在することを確認し、免疫チェックポイント阻害剤に対して耐性のImmuno-competentな膵癌同所モデルの作製に成功した。次に、このモデルを使用し、エピルビシンミセルと併用することによって高い抗腫瘍効果が得られるかを検証した。その結果、抗PD-1抗体に対しては、ほとんど効果がなかったのに対して、エピルビシンミセルと抗PD-1抗体による併用が飛躍的に高い効果があることを確認した。この効果は、抗PD1抗体が、エピルビシンミセルの併用によって、蛍光ラベルした抗PD-1抗体ががんの深部へと侵入できることをin vivo共焦点顕微鏡によって観察され、Collagen, Hyaluronanの分解が起こっていることを確認した。これは、ナノミセル化していないエピルビシンでは、観察されず、ナノミセル化がこの効果には、重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫チェックポイント阻害剤耐性を克服するためのナノ治療薬の検証のために、Immuno-competentなマウス膵臓癌同所モデルの作製に成功し、さらにナノミセルと組み合わせることによって、高い抗腫瘍効果を確認したから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度確認した併用による高い抗腫瘍効果のメカニズムを検証する。そのため、腫瘍間質の分解の効果や、免疫抑制細胞の集積の抑制、Cytotoxic T細胞の集積や、毒性評価を行って、その効果のメカニズムを明らかにすることを中心に行う。
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