2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん特異的融合タンパク質の分解を阻害する脱ユビキチン化酵素と分子標的治療
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21H02777
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任教授 (00198011)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 融合タンパク質 / 脱ユビキチン化酵素 / タンパク質分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞特異的に発現する融合タンパク質の中にはがん細胞の増殖に決定的に重要な役割を果たしているものがある。これらの融合タンパク質は正常細胞には存在しない異常なタンパク質であるため、細胞のタンパク質品質管理機構によって認識され、その多くは分解される。慢性骨髄性白血病に発現するBCR-ABLはUSP25によって脱ユビキチン化され細胞内で安定に発現できるため、他の融合タンパク質も同様の制御を受けている事が推測される。前年度までにCCDC-RET等の融合タンパク質が脱ユビキチン化酵素の制御を受けている可能性が示唆されたため、本年度はこれら融合タンパク質の安定発現に寄与する脱ユビキチン化酵素の同定を試みたが、残念ながら同定には至らなかった。がん細胞に発現する融合タンパク質を分解するにはPROTAC/SNIPER等のキメラ化合物を利用して分解を誘導する事も有効である。我々はALK阻害活性を示すGilteritinibと各種E3バインダーを組み合わせたPROTAC/SNIPER化合物を合成し、ALK融合タンパク質の分解活性を検討した。その結果CRBNバインダー組み合わせたPROTACはEML4-ALK及びNPM-ALKの分解活性を示し、IAPバインダーと組み合わせたSNIPERはEML4-ALKの分解活性を誘導したがNPM-ALKの分解を誘導しなかった。一方VHLバインダーと組み合わせたPROTACは両方のALK融合タンパク質に対して分解活性を示さなかった。分解活性を示した化合物についてリンカーの検討を行った結果、リンカーの短いキメラ化合物が長い化合物よりも強い活性を示す事が明らかになった。これらの結果からALK融合タンパク質の分解誘導にはCEBN及びIAPをリクルートするPROTAC/SNIPERが有効である事が示唆された。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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