2023 Fiscal Year Annual Research Report
脳領域間活動推定法と超高磁場MRIによるヒト味覚の神経基盤の同定
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21H02806
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Research Institution | Araya Inc. (Research & Development Department) |
Principal Investigator |
近添 淳一 株式会社アラヤ(研究開発部), 研究開発部, チームリーダー (40456108)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 基本味覚 / 脳機能計測 / 情報科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
約40名を対象に、五種(甘味、苦味、酸味、塩味、旨味)の基本味覚刺激提示中の被験者の脳活動を超高磁場MRIで計測した。島皮質におけるこれら5種の基本味覚の脳内表象を、univariate analysis(単変量解析)を用いて解析したところ、それぞれの味覚を弁別可能なクラスタは観察されなかった。一方、脳活動の空間的パターン情報を扱うmultivariate pattern analysis(多変量パターン解析)を適用したところ、これらの味覚刺激を弁別可能な領域が発見された。この結果は、Chikazoe et al., 2019の結果を再現する結果であるのみでなく、旨味に関しても、島皮質において表象されていることを示した結果として、先行研究の発見をさらに発展させたものであると考えられる。現在は、次年度中に発表することを目指して、この結果を論文にまとめている。また、視覚野を対象にした先行研究で、血流動態反応関数(Hemodynamic Response Function: HRF)における、刺激直後の信号低下(initial dip)を対象にして脳機能mapを作成すると、静脈の影響を緩和でき、より正確な機能mapが得られるとの報告があったため、味覚野の味覚mapを調べる目的で、撮像範囲を絞り、島皮質のみを対象とすることにより、時間解像度を大きく上げた条件で撮像を行った。このデータに関しては、現在解析を進めている。これらの研究は、基本味覚の脳内表象に関する理解を深めるだけでなく、今後の味覚研究や神経科学の発展に貢献するものと考えている。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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