2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Rupture-Risk-Prediction System for Aortic Aneurysm Using Fluid–Structure Interaction Analysis.
Project/Area Number |
21H02868
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹原 康雄 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (70188217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 貴輔 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402313)
杉本 昌之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00447814)
礒田 治夫 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(保健), 教授 (40223060)
杉山 将隆 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (40724844)
滝沢 研二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60415809)
板谷 慶一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (70458777)
駒田 智大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80718354)
兵藤 良太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80831388)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 流体構造連成解析 / 腹部大動脈瘤 / 数値流体解析 / 流体ファントム / 壁剪断応力 / oscillatory shear index / 動脈瘤破裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では“血流の乱れが大動脈瘤を増大させる”という仮説の証明を計算力学(構造解析・流体構造連成解析;FSI)による仮想空間と4D-Flowによる実空間上で試みる。その上で、計測と計算力学に基づき腹部大動脈瘤(AAA)の成長・破裂のリスク予測システムを開発し、CTによる初期の形態情報のみで外来ベースで、AAAに対する将来の適切な介入の時期と方法を知るシステムを構築し、その有用性を評価することを目的とする。初年度は、腹部大動脈瘤を有する実際の患者の腹部大動脈から総腸骨動脈の形態データを使用し、1)in-vivoの4D Flow MRIデータから、各種パラメータ(流線解析、壁剪断応力;WSS、oscillatory shear index;OSI、vorticity、helicity、energy loss; EL、等)を計測、2)同一患者の造影MR Angiography(MRA)のデータをSTL出力し、3Dプリンタで流体ファントムを作製、その流路に疑似血液を拍動流ポンプで流すことにより、in-vitroで4D Flow MRIを撮影し、in-vivo同様のパラメータを計測、3)実際の患者のMRAによる形態情報の流路STLデータから数値流体力学(CFD)によって計算した前述の各種パラメータを計測して、1~3の3者で得られた結果を比較した。その結果、流線解析は3者で概ね一致しているものの、2でファントムの壁が剛体によること、2,3で流出路の圧が0に設定されることに起因すると思われる数値の差異も認識された。この差異を埋めるため、同一患者のモデルでファントム壁に弾力性をもたせた材質で血管モデルを作製、両側の腸骨動脈からの流出に収縮期圧がかかるバルブを追加したモデルを3Dプリンタで追加作製した。このファントムで引き続き3者のパラメータの一致性を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに大動脈瘤を形成した症例を用いて、in-vivo、in-vitro、in-silicoの3者で、大動脈瘤の成長と関連する局所の壁剪断応力やoscillatory shear index (OSI)の計測が可能であることが証明された。また、滝沢らのグループで同時に流体構造連成解析モデルの作製が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、特殊な材質を使用した3Dプリンタで、壁に弾力を持たせ、また、流出路にバルブを設置することにより圧を持たせた流体ファントムが完成している。2年目は、このモデルで拍動流による流体ファントム実験を行い、in-vivo、in-vitro、in-silicoの3者のすり合わせを行い、流体構造連成解析の精度向上に役立てる。また、ファントム実験に並行して、腹部大動脈瘤患者の過去の大血管形状と瘤増大速度を後ろ向きに調査する。これらの各時点における数値流体解析を行い、更にはファントム実験によるvalidationを並行して行いながら、局所の流体パラメータと瘤成長と相関するかを検討する。また、流体構造錬成解析モデルの完成を目指す。
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Research Products
(10 results)