2021 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質のリポクオリティ変化からNASHの病態を解き明かす
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21H02892
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中川 勇人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00555609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 洋太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90608358)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでにNASHモデルマウスである肝臓特異的PTEN KOマウスにおいて、脂質生合成のマスターレギュレーターSREBP活性化に必須の分子SCAPをKOし(PTEN/SCAP DKOマウス)、脂質生合成を阻害すると、むしろ肝臓の炎症・線維化・発がんが促進されることを見出していた。さらにマウス肝組織を用いたトランスクリプトーム解析および網羅的リピドミクス解析を行った結果、多価不飽和脂肪酸をリン脂質に組み込む酵素LPCAT3の発現低下が小胞体膜の流動性を低下させ、小胞体ストレス・肝障害を引き起こしていることを見出した。またLPCAT3の発現低下は、SREBP機能不全に伴う核内転写因子LXRの活性低下に起因していることも明らかとなった。現在NASH肝生検検体を用いて、ヒトへの応用可能性を検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NASHマウスモデルを用いてリン脂質恒常性破綻の意義を明らかにするとともに、ヒト検体を用いた検証まで進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト検体を用いた検証により今回の知見の臨床応用可能性を探索していく。
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Research Products
(6 results)