2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of cancer-associated fibroblasts in tumor re-progression after chemotherapy
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21H02931
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
石井 源一郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 科長 (00270869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 登紀子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (00619538)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬物療法 / がん微小環境 / がん関連線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、今後の薬物療法を再考する上で極めて重要な“薬物療法後の微小環境”に着目し、再増殖を規定する分子機構の解明を目的としている。今年度は、薬物療法導入後に切除された非小細胞肺癌における生存腫瘍細胞率と腫瘍微小環境中に存在するCAFsの相関を明らかにした。手術前に化学放射線療法(CRT)または化学療法(CT)を受けた非小細胞肺がん(NSCLC)患者72名を登録した。腫瘍面積に対する生存腫瘍細胞の面積の比率を算出し、%VTCを求めた。また、免疫組織化学(IHC)により、CD4(+)、CD8(+)、CD20(+)、FOXP3(+)腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、ポドプラニン(PDPN)(+)癌関連線維芽細胞(CAF)、CD204(+)腫瘍関連マクロファージ(TAM)数を検討した。CRT群(n=37)では、CT群(n=35)に比べ、腫瘍の%VTCは有意に低かった(P<0.001)。CT群、CRT群ともに、%VTCはPDPN(+)CFSsの数と正の相関を示した(それぞれP = 0.059, 0.037)。しかしながら、全生存期間(OS)および無再発生存期間(RFS)は、PDPN(+)CAFsの存在とは有意な相関を示さなかった。CD204 (+)-TAMsの数も、CT群、CRT群において、%VTCと有意な正の相関を示した(それぞれP = 0.014, 0.005)。また、CT群では、CD204(+)TAM数はOSおよびRFSには有意な相関を示さなかった。 PDPN(+) CAFsおよびCD204(+)TAMsは、naïveながん微小環境では腫瘍の進展を機能的に促進することが示されてきた。しかしながら、薬物療法後(CT後)のがん微小環境においては、これらの細胞は腫瘍進展に寄与しない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験管モデルの作製の前に、実際のヒト切除検体にて起きている事象を確認した。おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、がん細胞株とCAFsを含んだハイブリッドオルガノイドを作製する技術を開発した(Nomura K et al. Cancer Sci. 2021)。このハイブリッドオルガノイドに対してシスプラチンを一定期間投与する。その後、シスプラチンfreeの培養液に戻し、オルガノイドが再増殖することを確認する。再増殖したオルガノイドよりがん細胞、CAFsを分離し、それぞれの細胞における転写産物の変化を SASP(senescence-associated secretory phenotype)あるいは薬剤耐性関連分子に着目してRNAseq 法により解析する。上述したハイブリッドオルガノイドの薄切切片を作製し、Visium(10x Genomics社)のプラットフォームによる空間的トランスクリプトーム解析(数~数十細胞程度の解像度)を行う。同方法を用いることにより、組織切片上での遺伝子発現を可視化することが可能となる。 また、シスプラチンをがん細胞株およびCAFs(寿命延長済み)に投与し、耐性株を作製する。これらシスプラチン耐性がん細胞、シスプラチン耐性CAFsを用いてハイブリッドオルガノイドを作製し、薬物療法後のヒトがん微小環境に類似した試験管モデルを作製する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Correlation between the number of viable tumor cells and immune cells in the tumor microenvironment in non-small cell lung cancer after induction therapy2021
Author(s)
Hoshino H, Aokage K, Miyoshi T, Tane K, Kojima M, Sugano M, Kuwata T, Ochiai A, Suzuki K, Tsuboi M, Ishii G.
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Journal Title
Pathol Int .
Volume: 8
Pages: 512-520
DOI
Peer Reviewed