2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚resident memory T細胞の人為的制御および皮膚疾患予防への応用
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21H02940
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川村 龍吉 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70262657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 陽一 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (20377542)
岡本 崇 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30402043)
三井 広 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (60372504)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | resident memory T細胞 / 抗原提示細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚抗原特異的resident memory T細胞 (TRM)およびresident memory regulatory T細胞 (制御性TRM)の発生、維持、増殖に寄与する抗原提示細胞およびシグナルを検討し、皮膚における抗原特異的反応を人為的に制御することを目標とした。抗原としてHSV-1 KOS株を使用した。抗原提示細胞欠損マウスとして、CD11c-DTRマウス (樹状細胞を欠損)、Langerin-DTRマウス (ランゲルハンス細胞を欠損)、Sashマウス (肥満細胞を欠損)を用意した。HSV-1特異的TRM/制御性TRMを追跡するために、これらのマウスにはgB特異的CD8 TCR, gD特異的CD4 TCR transgenicマウスからそれぞれCD8 T細胞, CD4細胞を単離し、あらかじめ移入した。各種抗原提示細胞欠損マウス腹部皮膚にHSV-1を接種し、1日・7日・30日・100日にHSV-1特異的TRM/制御性TRMの数を所属リンパ節、脾臓、HSV-1接種皮膚で確認した。CD11c-DTRマウスではHSV-1特異的TRMが表皮・真皮の双方で著明に減少し、樹状細胞のTRMの発生、維持、増殖における重要性が示されたLangerin-DTRでは表皮CD8陽性TRMの数が著明に減少した。これはランゲルハンス細胞の欠損により表皮CD8陽性TRMの発生、あるいは維持に異常が生じることを意味する。興味深いことにSashマウスでもCD11c-DTRマウスに比較すると程度は軽いもののHSV-1特異的TRMの減少が認められた。このことは真皮に存在する肥満細胞も抗原提示細胞として機能し、かつ抗原特異的TRMの発生、維持に関与することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの調達・飼育に時間がかかったが、状況は安定しこれまでのデータのconfirmを行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで樹状細胞、ランゲルハンス細胞、肥満細胞などの抗原提示細胞が皮膚抗原特異的resident memory T細胞 (TRM)およびresident memory regulatory T細胞 (制御性TRM)の発生、維持、増殖に関与するか検討を行ってきた。今後は、それぞれの抗原提示細胞において上記の機能を遂行する分子を明らかにしていく予定である。
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