2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of crosstalk between epidermal lipid abnormality/barrier defects and inflammation in ichthyosis for innovation of novel treatments
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21H02941
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋山 真志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (60222551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 慶直 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80270990)
武市 拓也 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30754931)
棚橋 華奈 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70823467)
滝 奉樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00846727)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 脂質 / 角化 / 魚鱗癬 / 表皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「(1)常染色体劣性先天性魚鱗癬(ARCI)患者の網羅的病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト」、「(2)ARCIの表皮脂質異常・バリア障害の解析プロジェクト」、「(3)ARCI患者・モデルマウスの皮膚・血液での遺伝子・蛋白発現プロファイリングプロジェクト」「(4)ARCIでの表皮脂質異常・バリア障害と炎症の相互作用の解明プロジェクト」、「(5)ARCIの新規治療法の提案プロジェクト」の5つのプロジェクトを施行する。本年度は、前年度から引き続き、上記(1)―(3)を併行して進め、(4)にも一部着手した。具体的な本年度の研究実績は以下である。 1)ARCI患者の網羅的病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト:全国的なARCI患者の集積と脂質関連病因遺伝子の同定を行い、多数のARCI患者臨床情報と病因の遺伝情報(主に脂質関連遺伝子の病因遺伝子変異)を患者レジストリへ登録、データバンクの作成を行った。患者のDNA、RNA、皮膚組織等の生体試料のバイオバンクの作成を開始した。 2)ARCIの表皮脂質異常・バリア障害の解析プロジェクト:ARCI患者から角層を採取し、脂質分析を施行し、患者の皮膚バリア障害も評価した。また、ARCI患者の病因遺伝子変異をノックインした疾患モデルマウスでも、脂質分析と皮膚バリア障害の評価を行った。 3)ARCI患者・モデルマウスの皮膚・血液での遺伝子・蛋白発現プロファイリングプロジェクト:ARCI患者とモデルマウスの皮膚、血液検体を用いて、網羅的にmRNA発現、タンパク発現を解析し、発現プロファイリングを行った。 4)ARCIでの表皮脂質異常・バリア障害と炎症の相互作用の解明プロジェクト 上記、ARCI患者とモデルマウスにおいて、脂質異常、バリア障害と炎症との相互作用を、蛋白・遺伝子発現プロファイル等から解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画立案当初の予想に反し、新たな知見により、常染色体劣性先天性魚鱗癬(ARCI)患者の病因遺伝子変異をノックインしたARCIモデルマウスの皮膚での遺伝子発現プロファイリングを正確に行うためには、皮膚サンプリングのタイミング(胎児期、または、日齢)、採取部位の詳しい検討が必要であることが判明した。本研究の遂行上、ノックインARCIモデルマウスの皮膚での正確な遺伝子発現プロファイリングが不可欠なため、皮膚遺伝子発現プロファイリングに最適なARCIモデルマウスの皮膚サンプリングのタイミング、採取部位を決定するためのパイロットスタディを、当初の計画に追加して実施する必要が生じた。そのため、それらの追加実験を施行したため、研究の進捗状況に若干の遅れを生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、下記の5つのプロジェクトを、順次、施行する計画である。前年度までは、(1)-(3)のプロジェクトを併行して進めつつ、(4)のプロジェクトも遂行した。今後は、(1)-(4)のプロジェクトを併行して進めつつ、(5)のプロジェクトも遂行する。各プロジェクトについての今後の研究の具体的な推進方策は以下である。 1)ARCI患者の網羅的病因解明とデータバンク、バイオバンク作成プロジェクト:全国的なARCI患者の集積と脂質関連病因遺伝子の同定を行い、多数のARCI患者臨床情報と病因の遺伝情報(主に脂質関連遺伝子の病因遺伝子変異)を患者レジストリへ登録、データバンクを作る。患者のDNA、RNA、皮膚組織等の生体試料のバイオバンクの作成を進める。 2)ARCIの表皮脂質異常・バリア障害の解析プロジェクト:ARCI患者から角層を採取し、脂質分析を施行するし、患者の皮膚バリア障害も評価する。また、ARCI患者の病因遺伝子変異をノックインした疾患モデルマウスでも、脂質分析と皮膚バリア障害の評価を行う。 3)ARCI患者・モデルマウスの皮膚・血液での遺伝子・蛋白発現プロファイリングプロジェクト:ARCI患者とモデルマウスの皮膚、血液検体を用いて、網羅的にmRNA発現、タンパク発現を解析し、発現プロファイリングを行う。 4)ARCIでの表皮脂質異常・バリア障害と炎症の相互作用の解明プロジェクト:上記、ARCI患者とモデルマウスにおいて、脂質異常、バリア障害と炎症との相互作用を、蛋白・遺伝子発現プロファイル等から解明する。 5)ARCIの新規治療法の提案プロジェクト:本研究で得られたARCIでの炎症の果たす役割、その機序のデータから、効果の期待される薬剤について、モデルマウスの治療実験を行い、新規治療法を提案する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Patients with keratinization disorders due to ABCA12 variants showing pityriasis rubra pilaris phenotypes.2024
Author(s)
Takeichi T, Hamada T, Yamamoto M, Ito Y, Kawaguchi A, Kobashi H, Yoshikawa T, Koga H, Ishii N, Nakama T, Muro Y, Ogi T, Akiyama M.
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Journal Title
J Dermatol
Volume: 51
Pages: 101~105
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ichthyosis.2023
Author(s)
Gutierrez-Cerrajero C, Sprecher E, Paller A, Akiyama M, Mazereeuw-Hautier J, Hernandez-Martin A, Gonzalez-Sarmiento R.
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Journal Title
Nat Rev Dis Primers
Volume: 9
Pages: 3
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Ceramide analysis in combination with genetic testing may provide a precise diagnosis for self-healing collodion babies.2022
Author(s)
Takeichi T, Ohno Y, Tanahashi K, Ito Y, Shiraishi K, Utsunomiya R, Yoshida S, Ikeda K, Nomura H, Morizane S, Sayama K, Ogi T, Muro Y, Kihara A, Akiyama M.
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Journal Title
J Lipid Res
Volume: 63
Pages: 100308
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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