2021 Fiscal Year Annual Research Report
上皮ー樹状細胞ネットワークを介したアレルギー疾患の発症機構の解明
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21H02963
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中江 進 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (60450409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生谷 尚士 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (40513718)
森田 英明 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 室長 (90365320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー / サイトカイン / 喘息 / 皮膚炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、ダニやカビ、植物由来のプロテアーゼが上皮細胞に作用すると、細胞死が誘導され、細胞死に伴って放出されるIL-33が炎症を誘導し、アレルギー疾患の発症の起点となることを報告した。 マウスへのプロテアーゼ吸入による気道炎症では、上皮細胞由来のIL-33が樹状細胞を活性化して新たなサイトカイン産生を促し、炎症を誘導することが明らかになった。その新たなサイトカインとしてIL-17Bを同定し、その機能解析を進めた。また、マウスの肺では、IL-33に反応する樹状細胞と反応しない樹状細胞といった異なる樹状細胞サブセットが存在し、その性状決定を進めた。 マウスへのプロテアーゼ塗布による皮膚炎の誘導にはIL-33は必須ではなく、IL-36aが関与していることを見出し、IL-36aによる炎症の誘導機序の解明を目指す。また、マウスの皮膚では、IL-36aに反応する樹状細胞と反応しない樹状細胞が存在し、それらの性状決定を進めた。 本研究では、異なる樹状細胞の性状と機能を明らかにし、喘息や皮膚炎といったアレルギー疾患の発症機序の解明を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未処置のマウスと気道炎症を誘導したマウスの肺組織から単一細胞を調製し、セルソーターで白血球集団を回収したのち、シングルセルRNAシーケンス(scRNAseq)を行ない、様々な免疫細胞における遺伝子発現プロファイル解析を行なった。 細胞特異的にIL-17B受容体を欠損するマウス(IL-17RB-floxマウス)を入手した。 未処置のマウスと皮膚炎を誘導したマウスの皮膚から単一細胞を調製し、セルソーターで白血球集団を回収したのち、シングルセルRNAシーケンス(scRNAseq)を行ない、様々な免疫細胞における遺伝子発現プロファイル解析を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
scRNAseqの結果から、IL-17RBを発現する細胞を同定し、その細胞特異的にCreを発現するマウスを入手する。そのCreマウスとIL-17RB-floxマウスを交配して、細胞特異的なIL-17RB欠損マウスを作成する。このマウスにプロテアーゼを吸入させて気道炎症を誘導し、この細胞が気道炎症の誘導におけるIL-17Bの標的細胞であるかどうか、個体レベルで明確にする。 scRNAseqの結果から、IL-36受容体(IL-36R)を発現する細胞を同定し、その細胞特異的にCreを発現するマウスを入手する。そのCreマウスとIL-36R-floxマウスを交配して、細胞特異的なIL-36R欠損マウスを作成する。このマウスにプロテアーゼを塗布して皮膚炎を誘導し、この細胞が皮膚炎の誘導におけるIL-36aの標的細胞であるかどうか、個体レベルで明確にする。
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Research Products
(10 results)