2022 Fiscal Year Annual Research Report
補助人工心臓となりうる外科的に移植可能な三次元心筋細胞構造体の開発
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21H03014
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 学 佐賀大学, 医学部, 講師 (50555084)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋 / バイオ3Dプリンタ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は細胞の凝集体であるスフェロイドを任意の形態に積層することで、足場材料を使用せずに、細胞のみで3次元組織を作製出来る「バイオ3Dプリンタ」を開発してきた。本研究では上記の技術を用いて、人工心臓に代わる新しい治療法を確立する為にヒトiPS由来心筋細胞構造体の作製に取り組んだ。 令和4年度は、ヒト心筋構造体の拍動能力の向上、および心筋細胞構造体の形状を安定化のためのPDMS薄膜の形成に取り組みブタへの移植を試みた。従来のヒト心筋細胞構造体の作成方法では、3Dプリンタで構築してから2週間程度で拍動機能が低下する。拍動機能の向上のため、心筋細胞構造体を構成するヒトiPS由来心筋細胞、ヒト心臓由来線維芽細胞の比率、および立体化方法についての見直しを行った。その結果、拍動機能を2ヶ月程度まで保つことに成功した。 心筋細胞構造体は培養期間の長さに伴って形状が変化することがわかっており、生体移植の際の適合性の面で問題となる。このため、心筋細胞構造体の形状の安定化を試みた。 昨年度は内径の収縮抑制にPDMS薄膜を作成しチューブの内腔側の形状については安定化できたものの、チューブ外周部の変形、およびチューブの長軸方向の短縮については抑制できず、細胞構造体の形状の安定化には至らなかった。今年度はデバイスの試作とテストを繰り返し長軸方向への収縮を抑制することに成功した。また、ミニブタの内径動脈に拍動する心筋細胞チューブの移植を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミニブタへの移植に到達できたことは計画に沿っている。まだまだ移植心筋細胞のデザインの検討、およびブタへの手術方法などの改善が必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる試作とテストを繰り返し動物への移植をすすめていき、心臓のポンプ機能の獲得が得らえるか期待したい。
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