動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプによる小型高性能植込型左室補助人工心臓の開発

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21H03018
• Research Institution: National Cardiovascular Center Research Institute
• Principal Investigator: 西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 築谷 朋典 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00311449) ; 巽 英介 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, オープンイノベーションセンター, 副オープンイノベーションセンター長 (00216996)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 補助人工心臓 / 遠心ポンプ / 心不全

Outline of Annual Research Achievements

重症心不全治療に貢献することを目指し、動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプによる小型高性能の植込型左室補助人工心臓の開発を行っている。動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプについては、低血液充填量、小型であること、動圧軸受によりインペラは目標回転数範囲で安定した非接触回転を可能とすること、遠心ポンプ内部において十分な血液再循環量を確保するとともに血液のうっ滞部分を可及的に排除した流路設計とすること、主要部分はチタン合金製とすること、及びモータ電力、発熱の抑制により遠心ポンプ周囲並びに血液の温度が生理的範囲内に維持されることを目標とした。開発目標とする動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプに関する数値流体力学による解析では、羽根車に作用する流体力については低流量であるほど半径方向において大きい傾向にあり、ポンプ内部の応力分布についてはポンプ出口部の剥離に関連して発生する低せん断応力領域が流量により大きく変化する等の特性を認めている。植込型左室補助人工心臓動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプとして、チタン合金製ポンプケーシングを持つ動圧軸受式遠心ポンプの製作を行い、ポンプ性能の評価を行った。製作した動圧軸受式遠心ポンプを模擬循環回路に接続し、モデル左室による拍動流下に100時間連続駆動（平均流量4.2 L/min、振幅4.0 L/min）を行った結果、安定したポンプ駆動が可能であった。一方で、インペラに軽度の接触痕が観察され、非接触回転については今後の解決課題となった。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

植込型左室補助人工心臓動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプの開発において、チタン合金製ポンプケーシングを持つ動圧軸受式遠心ポンプの製作を行い、ポンプ性能評価等を実施しており、今後さらなる開発推進を行う。

Strategy for Future Research Activity

植込型左室補助人工心臓動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプ開発を推進する。動圧軸受非接触回転方式遠心ポンプについて、低血液充填量、小型であること、動圧軸受によりインペラは目標回転数範囲で安定した非接触回転を可能とすること、遠心ポンプ内部において十分な血液再循環量を確保するとともに血液のうっ滞部分を可及的に排除した流路設計とすること、主要部分はチタン合金製とすること、及びモータ電力、発熱の抑制により遠心ポンプ周囲並びに血液の温度が生理的範囲内に維持されることを目標として開発を進め、耐久性試験、急性・慢性動物実験施行へと推進する。また、植込型左室補助人工心臓システムの開発を行う。