2021 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge in developing a guide for surface identification of the lungs using deformation algorithm by deflation and bird-view function
Project/Area Number |
21H03020
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芳川 豊史 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00452334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰太 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20612849)
中尾 恵 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10362526)
北坂 孝幸 愛知工業大学, 情報科学部, 教授 (00362294)
後藤 真輝 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50844916) [Withdrawn]
門松 由佳 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80878364)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 手術シミュレーション / 胸腔鏡手術 / ロボット支援下手術 / 脱気変形 / 呼吸器外科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 侵襲的な処置をすることなく、安全かつ真に低侵襲に微小肺結節を切除するために、微小結節の位置や区域間面の同定が正確に可能となるシステムを情報学的手法により構築することを目的として研究を始めた。さらに、バードビューカメラシステムを用い、肺表面の位置情報を術中にリアルタイムで、わかりやすく、正確にガイドすることを目指した。 令和3年度は、術前・術中CT画像と手術(胸腔鏡)画像のデータベース化については、種々のマーキングシステムを利用して、できる限り多くのヒト臨床データを取得した。とくに、CBCTでは、手術時と同じ体位となる側臥位における含気状態と虚脱状態の3次元CBCT (Paired CBCT) データを月2例程度のペースで収集可能であった。これらの画像をデータサイエンスとして利用できるよう、外科医が編集し、統計的モデルの開発の際に指標になる解剖学的構造物が容易に認識可能な状態で保存、情報学研究グループがアクセス可能なデータベースを作成した。 さらに、脱気肺における肺微小結節・区域間面の予測モデルについては、独自に開発した脱気変形モデルを前述の術前画像データと胸腔鏡画像を収集して解析を進めることができた。これは、今後、患者個別に肺微小結節や区域間面の位置をより正確に投影するモデルを開発する際の礎となる。 最後に、バードビューカメラシステムについては、複数個のカメラを組み合わせることで、通常の内視鏡カメラによる限定された視野でなく、手術側の片側胸郭全体を描出できるようになるよう、試作機の検討を進めることができた。これによって、片肺全体を一つの視野に入れることが可能となり、末梢肺野の正確な位置情報が分かりやすく認識できるため、より安全で正確な手術が可能となる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
術前・術中CT画像と手術(胸腔鏡)画像のデータベース化については、COVID-19の影響により、Super DimensionTM ナビゲーションシステム(Covidien社所有の電磁波誘導でガイドする気管支鏡システム)を用いて正確なマーキングを行うことが進められなかったが、繰り越して対応することができた。 脱気肺における肺微小結節・区域間面の予測モデルについては、前述のデータべースもとに進めることができ、令和4年度の研究課題へと繋げていく。バードビューカメラシステムについては、研究分担者ととともに、研究をこれまで通り進めていく方針である。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、まず、術前・術中CT画像と手術(胸腔鏡)画像のデータベース化を継続して行う。種々のマーキングシステムを利用して、多くのヒト臨床データを取得し、マーキングした術前・術中画像と内視鏡画像を用いて、脱気変形アルゴリズムの検証を行う。 次に、脱気肺における肺微小結節や区域間面の予測モデルを構築する。従来から行ってきたCone beam CT法、VAL-MAP法以外に、COVID-19の影響を受けたSuper Dimension法を積極的に行うことで、より多角的に術前画像データや胸腔鏡画像を収集して解析を進め、患者個別に肺微小結節や区域間面の位置をより正確に投影するモデルを開発する。具体的には、脱気変形の変形のタイプと手術時の体位の影響、位置移動が大きい解剖学的位置の把握などが必要になると考える。 さらに、バードビューカメラシステムの研究を追加する。複数個のカメラを組み合わせることで、片肺全体を一つの視野に入れることが可能となり、末梢肺野の正確な位置情報が分かりやすく認識できるため、より安全で正確な手術が可能となる。 上記の開発要素を基礎に、表面位置情報ガイドの創出を行う。脱気肺における肺表面の予測モデルの開発の後に、手術ガイド画像を創出する技術開発を行う。このためには、脱気の状態がそれぞれ異なる個別の患者において、手術中の胸腔鏡画像から「脱気の状態」を認識し、その状態にあわせて結節や区域間面を投影する技術が必要である。上記のデータベースを利用し、脱気肺における肺内構造物の位置を推定するモデルに胸腔鏡画像における実際の脱気の状態を学習させることで可能になる。さらに、胸腔鏡画像の認識と画像の描出を高速化し、胸腔鏡画像内の動きに合わせて肺内構造物の変位をリアルタイムに推定する技術を開発する。また、バードビューカメラシステムを用い、全肺野の中での位置同定を行うなど、よりわかりやすい手術ガイド機能の創出を目指す。
|
Research Products
(7 results)