2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21H03051
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
林 幹人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50581914)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、骨細胞は骨の恒常性に必須の役割を果たすだけでなく、全身の個体機能維持に関わる多種多様な役割を有することが明らかにされてきた。しかしながら、これまで骨細胞は単一の集団とみなされ、機能的な細分化が行われてこなかったのが現状である。本研究では、我々が新たに作製した骨細胞特異的にCreを発現するマウスを用いることで純度の高い骨細胞の分取が可能となったことから、この方法によって野生型や様々な病態モデルのマウスから得られる細胞を用いたシングルセル解析を行う。これにより、骨細胞サブポピュレーションの特定と更なる新機能の推定、機能的分化に関わる新規因子の同定を可能とし、それらの細胞・成体レベルでの解析から、骨細胞の真の全貌解明を目標とする。本年度までに、Ai9レポーターマウスと新規骨細胞特異的Cre発現マウスを交配することで、骨細胞のみを特異的にtdTomatoで標識し単離する方法を確立した。さ らに、Chromiumを用いたバーコーディングとライブラリ調整を行い、シーケンス結果を詳細に解析し、複数の骨細胞サブポピュレーションを特定することに成功した。これまでに集積したデータベースとの比較を行い、特定された各クラスターが骨細胞であることを確認した。また、若齢と老齢の比較を行い、各クラスターや遺伝子発現の変化を解析した。他の解析も含め、骨細胞の新たな機能に関わっていると考えられる遺伝子を絞り込み、骨細胞特異的コンディショナル欠損マウスの作製を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、当初の計画通り生理的状態および老齢でのシングルセル解析が完了しており、特定の遺伝子についての解析が進んでいることから、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな骨細胞機能に関わると推定される遺伝子の骨細胞特異的コンディショナル欠損マウスを作製し、個体機能維持機構における骨細胞の役割を解析する。また、新規骨細胞特異的Cre発現を用いて骨細胞特異的欠失マウスを作製し、その全身性の影響を解析する。
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