2021 Fiscal Year Annual Research Report
正常子宮内膜に認められる癌遺伝子変異は内膜再生・癌化のドライバーとなり得るか?
Project/Area Number |
21H03077
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
京 哲 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50272969)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子宮内膜 / 癌遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
正常子宮内膜腺上皮に認められる癌遺伝子変異の生物学的意義を明らかにするため、正常子宮内膜を起点としたin vitro carcinogenesis modelの構築を試みている。すなわち、正常子宮内膜の段階で認められるK-rasやPIK3CAなどの遺伝子変異が癌化のステップとしての意義を有し、子宮内膜癌の起こりやすさに関与するかどうかを検証するのが本研究の目的である。具体的には正常子宮内膜から単一腺管を分離し、spheroid培養に供した上で、Sanger 法による遺伝子変異解析を行う。その結果、形成されたspheroidの中には遺伝子変異を有するものがあり、認められるほとんど全ての変異はPIK3CA変異であった。これらの変異spheroidを癌化実験に使うため、安定的に継続培養するための不死化を試みているが、不死化に至っていない。spheroid培養の遺伝子導入効率に問題があると考えられる。これまでは2次元培養に一旦戻し、レンチウイルスによる遺伝子導入を試みてきたが、2次元培養に戻した状態での細胞のviablity が悪く、成功していない。spheroid培養細胞にどのような方法で遺伝子導入を試みれば良いのか、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常子宮内膜から単一腺管を分離し、Sanger 法による遺伝子変異解析にて変異腺管を回収、純化し、これらをspheroid培養に供したところ、spheroidを生成しているものは高頻度にPIK3CA変異を有していた。これらの変異spheroidを癌化実験に使うため、安定的に継続培養するための不死化を試みているが、不死化遺伝子の導入を試みるも不死化に至っていない。当初の計画では不死化した上で、様々な遺伝子変異を導入し、正常子宮内膜に認められるがん遺伝子変異の意義を明らかにしたいが、現状では不死化のプロセスで止まっている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
spheroid培養での遺伝子導入効率に問題があると考えられる。これまでは2次元培養に一旦戻し、レンチウイルスによる遺伝子導入を試みてきたが、2次元培養に戻した状態での細胞のviablity が悪く、成功していない。spheroid培養細胞にどのような方法で遺伝子導入を試みれば良いのか、現在検討中である。
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