2023 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋冠幹細胞ニッチと骨修復時のメカノシグナルによる細胞動態制御
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21H03098
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井関 祥子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80251544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武智 正樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (10455355)
足立 礼孝 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (10631533)
塗 隆志 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40445995)
永井 重徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50348801)
上田 晃一 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90257858)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭蓋冠 / 骨欠損 / BMP2 / ナノゲル / FGF18 / M2マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究において、マウス頭蓋冠欠損モデルを用いて、骨修復におけるfibroblast growth factor 18 (FGF18)の機能を明らかにしている。bone morphogenetic protein 2(BMP2)にFGF18を追加して局所投与するとBMP2単独群と比較して骨修復効果が安定した。BMP2/FGF18投与群では、修復開始時期において組織修復性のM2マクロファージの浸潤を示唆する遺伝子発現が有意に高く、マクロファージを除去するclodronateを作用させた骨欠損モデルにおいてはBMP2/FGF18投与による骨修復率の改善が打ち消されたため、FGF18のマクロファージへの作用に着目した。In vitroにおいて骨髄細胞を分離してFGF18を作用させるとM2マクロファージの極性化が促進された。この作用は、FGF18が骨髄間質細胞を介してケモカインシグナルを活性化させることによるものであった。中でもCCL2は炎症細胞の遊走だけではなく、M2マクロファージへの極性化を誘導することが報告されている。骨修復時にBMP2/FGF18投与群でCcl2の発現はmRNAレベルで上昇していたため、CCL2の受容体をコードするCcr2遺伝子を欠失するマウスを用いて頭蓋冠骨欠損モデルにBMP2/FGF18を投与したところ、マクロファージ除去マウスと同様に骨修復率の改善は見られなかった。今年度は、最終的にBMP2/FGF18投与群の修復中の頭蓋骨組織中においてM2マクロファージが実際に有意に増加することを確認しており、遺伝子発現解析やin vitroの解析で得られた結果をin vivoの状況と結びつけることができた。研究を総括してFGF18は頭蓋骨の治癒過程において、M2マクロファージに間接的に作用してポジティブに働いていることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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