2022 Fiscal Year Annual Research Report
Proteome analysis of periodontal ligament matrix and development of regenerative material
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21H03127
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北見 公平 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20804579)
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
松本 雅記 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60380531)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯根膜 / プロテオミクス / 細胞外マトリックス / コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯根膜の脱細胞組織を未知の候補物質として扱うのではなく,細胞外マトリックス(ECM)の組成を網羅的かつ定量的に解析し,分子構成の詳細を明らかにした上で,その再生能を評価する.さらにECMの組成と構成比をハイスループットに解析可能なワークフローを構築し,脱細胞組織の再生材料とし ての品質管理を可能にする.初年度に行ったマウス歯根膜細胞から分泌された培養歯根膜マトリックスにおけるプロテオーム解析の結果,一定の組成データは得られたものの,不溶性のECMタンパクが十分に検出されていない可能性が示唆された.そこでECMの可溶化と検出効率を高めるために,化学的ペプチド開裂法と糖鎖切断を行うことにより,総検出タンパク中のECM組成は約20%から30%に増加し,ECM中のコラーゲン組成は約30%から60%に増加した.また糖鎖切断により,検出タンパクの組成には影響がなかったが,ECM糖タンパクの検出数が大幅に増加した.以上の結果から,従来のタンパク可溶化法によるプロテオーム解析では,実際の組成に比べてECM組成が少なく見積もられており,一連の前処理によって,より正確なECM組成を解析できることが示された.またヒト歯根膜組織ならびにヒト培養歯根膜細胞マトリックスにおいて,化学的ペプチド開裂法と糖鎖切断による前処理を用いて,より精度の高いプロテオーム解析を行い,ECM組成のデータを取得することに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質量分析装置とECMの網羅的データベースの使用により,マウスおよびヒト歯根膜におけるECMに特化した組成データの取得に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜組織の細胞外マトリックスが有する組織再生能を明らかにするために,一旦抜去したマウス上顎第一臼歯表面の歯根膜組織を脱細胞した後に再植し,その治癒経過を組織学的に解析する.対照群は非脱細胞群とし,組織の治癒経過および基質線維の再配列を評価する.変性コラーゲンに特異的に反応するプローブ(Collagen Hybridizing Peptide, 3Helix社)を用いてマトリックスの3次元的構造変化の高感度な検出を行う.組織の再生過程における細胞の波及動態を可視化するために,Cre-loxP系により細胞種特異的かつ薬剤投与依存的に多色の蛍光を発現し,その娘細胞群を長期に追跡することが可能なマウス(UBC-CreERT2 :RGBow, Gli1-CreERT2 :R26GRR)を用いる.
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Research Products
(3 results)