2021 Fiscal Year Annual Research Report
New treatment strategies for periodontal disease and peri-implantitis from the point of Macrophage autophagy abnormality
Project/Area Number |
21H03131
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マクロファージ / 間葉系幹細胞 / オートファジー / 歯周病 / 歯槽骨破壊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,歯周病やインプラント周囲炎における病態形成メカニズムを,歯槽骨破壊局所に集積するMφの活性化に注目し,オートファジー異常の観点から解明するとともに,炎症性サイトカインの産生経路を特定し,免疫トレランス獲得につながる新たな検査技術や 新規組織再生療 法開発につなげることを目的としている. 本年度の研究実績の概要を以下に示す. 1)実験的マウス周囲炎モデルにおけるマクロファージの分布 週齢の異なるマウス(C57BL/6, 5週齢および50週齢)の下顎第一臼歯に5-0絹糸を結紮した結果,5週齢と比較して50週齢で明らかな歯槽骨破壊が観察された.また,蛍光免疫染色によるマクロファージの分布を確認したところ,50週齢で炎症巣周囲に多くのマクロファージが分布していた.特に,炎症性マクロファージであるCD80陽性M1の分布が観察され,抗炎症性であるCD206陽性M2の分布は5週齢と比べて少ないことがわかった.また,組織の免疫トレランス維持に重要な役割を果たすと考えられている間葉系幹細胞の分布を検討したところ,50週齢ではPDGFra陽性間葉系幹細胞の分布は少ないことがわかった. 2)週齢の違いによる間葉系幹細胞とマクロファージの相互作用 5週齢,50週齢それぞれから単離・培養したマクロファージと間葉系幹細胞をカルチャーインサートを用いて共培養したところ,5週齢間葉系幹細胞はM1からM2へのマクロファージの極性変化を強く誘導したのに対して,50週齢間葉系幹細胞ではあまり誘導されないことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
歯周病モデルと同様にインプラント周囲炎モデルの確立を目指したが,インプラント埋入後,予定していたような初期固定が得られず,オッセオインテグレーションの獲得に至った個体が少なかったため信頼性のある解析結果とはならなかった.今後はインプラントの形状や,手術方法を再検討し,インプラント周囲炎モデルの確立を目指すとともに,炎症巣におけるオートファジー異常を検出する.
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Strategy for Future Research Activity |
Mφの活性化およびオートファジ ーの評価を行う 歯周病ならびにインプラント周囲炎誘導後10日で回収した下顎骨において,組織学的に1型Mφの 分布(F4/80,CD80二重陽性細胞)を確認すると ともに,蛍光免疫染色法を用いてLC3の局在を確認する事でオートファゴソームの形成を評価する .さらに歯根周囲の肉芽組織を回収し,オート ファジー関連遺伝子(Atg5, Atg7,Atg16L1等)および,炎症性サイトカイン(IL-1b,TNF-a,IFN-g) の発現をリアルタイムRT-PCRにて確認する.
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