2021 Fiscal Year Annual Research Report
免疫プロファイリング解析による口腔癌の集学的治療法選択の提案
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21H03138
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00211029)
津島 文彦 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (90456210)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 免疫 / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
舌扁平上皮癌患者の手術材料FFPEを用いて、がん微小環境の免疫プロファイリング解析を実施した。当初計画した6年間の未治療手術症例の対象は 91例で、うち術後5年調査における再発・転移 (R/M)症例は12例のみであった。そこで、R/M(-)群では T1/2/3症例がほぼ同じ比率になるように症例を選択し、 R/M症例含めた全44 例の解析を終了した。これまでの報告と同様に 病理学的癌浸潤度 YK分類 3および 4c では臨床視診内向型がほとんであり、リンパ/脈管/神経浸潤がみられた。 YK-4c群では、CD45陽性の腫瘍浸潤白血球 (TILe)浸潤、 全T細胞サブセットおよび CD8+ T細胞の分布密度が、YK-3群と比較して有意に低値を示した。R/M 12症例に注目すると、10 例が YK-3 および -4cで、その多くがTILe浸潤が中等度から低値で、 T細胞サブセットの中で、 CD8+ T細胞比率が低かった。T1症例で8例の R/Mがみられ、うち2例は YK-2の表在型で、 1例は免疫細胞浸潤がほとんどみられず、重複癌を生じ、 PD-1 ICI治療受けたが、 PDの結果であった。この患者の PD-1および PD-L1発現はほとんど見られず、有効な治療選択ではないと思われた。もう一例は中等度 TILe浸潤があったが、 CD8+ T細胞比率が少なく、有効な抗腫瘍免疫応答が生じていない症例と思われた。以上の結果から、がん微小環境における免疫プロファイルは、腫瘍サイズや病理学的癌細胞浸潤様式、臨床視診型と一定の関係はあるが、症例ごとに非常に多様であるので、 個別に免疫プロファイルを評価した上で、術後補助療法や再発後の治療法選択をしていく必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想以上に治療成績が良かったために、再発・転移症例数が十分えられず、若干の計画変更があったが、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記44症例のデータサイエンス技法含んだ統計学的解析で再発・転移のリスクファクターを同定可能かどうか専門家の協力を得て進める。また、コホート2研究としての ICI 療法投与再発・転移舌扁平上皮癌についての研究を開始する。予定数は30例であるが、舌癌での ICI投与結果は芳しくないので、舌癌以外の HNSCCでの ICI奏功例も加えることも検討中である。
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