2021 Fiscal Year Annual Research Report
Monitoring the progress of universal health coverage and quality of care through the integration of user and health facility data
Project/Area Number |
21H03160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴沼 晃 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90647992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70196674)
桐谷 純子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (90797177)
オン ケン・イン・チェン 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30765269)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国民皆保険 / ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ / 保健サービスの質 / COVID-19 |
Outline of Annual Research Achievements |
カンボジアのカンダール州において、住民要因やCOVID-19感染状況等を考慮した上で保健サービスの質が国民皆保険の達成や健康アウトカムに与える影響を検討するための調査を設計した。住民と保健施設を対象にしたベースライン調査を実施し、今後の継続追跡調査のための基盤を構築した。具体的には、住民からは保健施設との距離、保健サービスの利用に関するデータを取得した。同地域では縫製工場等製造業で女性の雇用拡大が進んでいるが、工場就労者は保健サービス利用に際して公的健康保健制度による支出補助が得られる。また、出産時の一時金や有休の出産後休業の制度も存在する。5歳未満児の下痢症発症時の保健サービス利用は、夫婦のみで子育てに関与していると回答した世帯では55%であったのに対して、夫婦に加えて祖父母や親戚等も子育てに関与していると回答した世帯では73%であった。この差は、他の人口社会学的特性を考慮した重回帰分析でも統計的に有意であった(調整済みリスク比=0.70, 95%信頼区間: 0.49, 0.99)。同じく、5歳未満児の下痢症発症時の保健サービス利用は、公的健康保健制度の無資格世帯では62%であったのに対して、父母ともに有資格である世帯では69%であったが、この差は重回帰分析では統計的に有意でなかった。今後、父母の就業状態、祖父母等親戚の子育て関与の詳細や保健サービスの質をさらに考慮した分析により、詳細な分析を行っていくことが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景とし、保健施設への立ち入りを伴う調査を進めることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き保健施設への立ち入りを伴う調査を準備するとともに、保健サービスの質に関する二次データの利用を進める。また、新型コロナウイルス感染症感染拡大前のデータとの比較を試みる。
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Research Products
(1 results)