2022 Fiscal Year Annual Research Report
感覚神経-骨組織連関に着目した廃用性骨萎縮の病態解明
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21H03298
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Research Institution | National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
越智 広樹 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究員 (30582283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 信吾 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (40462220)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 感覚神経 / 廃用性骨萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経障害患者では、神経障害による骨代謝変化に加え、不動・非荷重による廃用が原因となり著しい骨量減少が生じる。骨量減少に続発する骨折は、リハリビリテーション介入において極めて大きな障害となり、効果的な神経機能回復を阻む要因となるだけでなく、寝たきり状態へ移行することで死亡率を高めることが社会的問題となっている。そのため、非荷重が導く骨代謝異常のメカニズム解明ならびに骨形成を特異的に促進する効果的な治療方法の開発は、骨代謝疾患に対する治療のみならず、リハリビリテーションの効果を促進するためにも喫緊の課題である。申請者はこれまでの研究において、神経系が骨代謝の調節に重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。そこで本研究では、神経―骨組織のネットワークに着目し、不動性骨代謝障害のメカニズムを解明することを目的とする。 今年度は、研究計画に従い以下の研究内容を実施した。 1)神経障害モデルにおける骨組織解析:神経障害モデルにおいて骨形態計測を実施した。その結果、骨芽細胞の機能低下による骨量減少を示すことが明らかとなった。 2)骨芽細胞由来神経調節因子の機能解析:昨年度同定した候補遺伝子の、骨芽細胞分化におよぼす影響をin vitroにおいて解析した。 3)感覚神経活性化による影響の解析:薬剤投与ならびにDREADD法を用いて感覚神経を効果的に活性化する系を検討した。また、感覚神経の活性化による骨代謝へ及ぼす影響を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの作出に予想よりも時間を要したため、感覚神経活性化モデルの確立に若干の遅れが生じたが、代替法として、薬物を用いる方法を並行して検討した。また、現在は遺伝子改変マウスも常時十分量作出されている状況であり、実験の進捗に遅れは無いと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 感覚神経活性化が骨代謝へ及ぼす影響の検討: 昨年度までに確立した感覚神経を活性化させるモデルを用いて、感覚神経の活性化が骨代謝に及ぼす影響を組織学的、分子生物学的に評価する。また、同モデルに対して脊髄損傷あるいは後肢不動化を行い、廃用性の骨量減少に及ぼす影響を検討する。 2. 感覚神経活性化が骨組織を構成する細胞群に及ぼす影響をin vivo ならびにin vitroにおいて検討する。 3. 昨年度までに同定した骨芽細胞に由来するシナプス形成促進因子に関して、その標的遺伝子ならびにシグナルパスウェイを探索すると同時 に、骨芽細胞分化ならびに神経分化における機能を検討する。
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