2023 Fiscal Year Annual Research Report
自家骨髄濃縮液による低侵襲椎間板組織再生誘導法の開発と組織再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
21H03313
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
須藤 英毅 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (30374367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 勝久 北海道大学, 大学病院, 助教 (20771893)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 自家骨髄濃縮液 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】生体内における椎間板の再生能力は著しく低く、椎間板ヘルニアに対するヘルニア摘出術は術後変性を来す要因となる。我々はこれまでに家兎椎間板変性モデルを対象に、アルギン酸を基盤とした高純度硬化性ゲルと骨髄濃縮液(Bone marrow aspirate concentrate; BMAC)の併用による組織再生効果と力学的安定性を示してきた。本研究では、臨床応用を見据えた橋渡し研究として、大動物モデル(ビーグル犬)を対象とした性能評価試験を行なった。
【方法と結果】19月齢ビーグル犬の椎間板を対象に、コントロール、髄核摘出、ゲル単独、ゲルとBMACの4群に分けた。BMAC作成にはSmartprep(テルモBCT)を利用した。経後腹膜アプローチにて髄核摘出を行ない、摘出部にゲルまたはゲルとBMACを埋植した。埋植24週後にMRI評価と組織学的、免疫組織学的評価による変性定量評価を行った。MRI 評価では髄核摘出群およびゲル群と比較してBMAC群は有意に高信号が保持されており、また組織学的評価においてもBMAC群は変性スコアが有意に低く、免疫組織学的評価ではType II collagen陽性細胞率が有意に高値であった。
【考察】BMACとゲルの併用が髄核摘出およびゲル単独と比較して有意に変性が抑制されていたことから、大動物における本法の椎間板組織修復効果が示された。これまでにゲルの生体力学的安全性およびBMAC添加により力学特性が変化しないことを証明している。細胞培養操作を伴う幹細胞移植に比べて一期的処置が可能な本法は、生体侵襲やコスト軽減効果が高く、実臨床における有用性は高いと言える。本研究における橋渡し研究の成果が示されたことから今後の臨床への応用が期待される。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|