2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of the beneficial effects of maternal exercise on next generation health focusing on maternal organs, placenta, and fetal tissues
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21H03315
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
楠山 譲二 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70596105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永富 良一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20208028)
木村 友彦 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50454830)
長名 シオン 東北大学, 医工学研究科, 特任助教 (60868131)
小塚 智沙代 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (70722370)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 妊娠 / 運動 / 胎盤 / SOD3 / エピジェネティクス / ビタミンD / 肝臓 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでの研究で、母親の妊娠期運動は生まれてくる子の肥満リスクを低下させる作用があり、この有益な効果を次世代に伝えているのは胎盤から分泌されるSOD3タンパク質であることを明らかにした。しかし胎盤におけるSOD3の分泌制御メカニズムについてはまだ未解明である。これまでに胎盤におけるビタミンD受容体(VDR)がSOD3の発現を制御していることを突き止めている。そこで本年度は、胎盤特異的なVDRノックアウトマウスを樹立し、胎盤におけるVDRの機能欠失が胎盤でのSOD3発現に与える影響、子の糖代謝能への影響、運動の有益性に対する影響などを解析した。また母親に低ビタミンD食または高ビタミンD食を与え、妊娠期運動効果がどのように影響するかを評価した。さらに胎盤特異的SOD3ノックアウトマウスにおいて高ビタミンD食が有益な効果を及ぼすか、妊娠期に低ビタミンD食を与えた影響が胎仔へのリコンビナントSOD3タンパク質によってレスキューできるかどうか、in vivoにおける解析を行った。これら一連の運動・栄養連関の解析をすることで、妊娠期運動が運動刺激、ビタミンD、胎盤由来SOD3の3つの組み合わせによって制御されていることが示唆された。 また妊娠期運動が胎仔肝臓のヒストン修飾に与える影響を解析し、胎盤由来SOD3が高脂肪食によって誘導される酸化ストレスを介したH3K4me3の不安定化を予防することを突き止めた。特に胎盤由来SOD3はタンパク質のカルボニル化を防いでおり、H3K4me3についてはWDR82と呼ばれる分子の機能阻害をレスキューすることで、ヒストンメチル化のかく乱を予防していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の胎盤特異的遺伝子改変マウスの樹立を終えることができ、来年度は本格的な解析を進める。胎盤でのシグナル伝達経路解析も候補となる重要なものの特定が進んでいる。母体の運動感受性臓器については、米国との共同研究が開始されており、来年度は現地で協力した解析を進めることを予定している。またヒストン修飾の観点からの解析をスムーズに終えることができ、研究成果をDiabetes誌に発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの生体レベルの解析は順調である。ヒトコホート研究は国内での解析は一応の目途がついているが、海外はCOVID-19による影響がまだ続いており、より綿密なコミュニケーションを続けていく。来年度は渡米し、現地での解析が可能になると、さらなる進展が見込めるため、良い時期を逃さずに研究を遂行していきたい。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Bromodomain Inhibition Reveals FGF15/19 as a Target of Epigenetic Regulation and Metabolic Control2022
Author(s)
Kozuka C, Efthymiou V, Sales VM, Zhou L, Osataphan S, Yuchi Y, Chimene-Weiss J, Mulla C, Isganaitis E, Desmond J, Sanechika S, Kusuyama J, Goodyear L, Shi X, Gerszten RE, Aguayo-Mazzucato C, Carapeto P, Teixeira SD, Sandoval D, Alonso-Curbelo D, Wu L, Qi J, Patti ME.
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Journal Title
Diabetes
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Placental superoxide dismutase 3 mediates benefits of maternal exercise on offspring health2021
Author(s)
Kusuyama J, Alves-Wagner AB, Conlin RH, Makarewicz NS, Albertson BG, Prince NB, Kobayashi S, Kozuka C, Moller M, Bjerre M, Fuglsang J, Miele E, Middelbeek RJW, Xiudong Y, Xia Y, Garneau L, Bhattacharjee J, Aguer C, Patti ME, Hirshman MF, Jessen N, Hatta T, Ovesen PG, Adamo KB, Nozik-Grayck E, Goodyear LJ.
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Journal Title
Cell Metabolism
Volume: 33
Pages: 939~956.e8
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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