2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Optimization Mathematical Modeling
Project/Area Number |
21H03398
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
土谷 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00188575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 知就 九州大学, 経済学研究院, 教授 (10551260)
上野 玄太 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (40370093)
荒川 俊也 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (50631248)
ロウレンソ ブルノ・フィゲラ 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (80778720)
小原 敦美 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (90221168)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半正定値計画問題 / 悪条件問題 / 凸最適化 / 双対理論 / 摂動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、凸最適化に関連するモデリング・数理・アルゴリズムにかかわるものであるが,本年度は数理を中心に研究を進めた. 主問題と双対問題が共に強実行可能解を持つ問題を正則な問題という.正則な問題は主問題と双対問題の最適値が一致し,良いアルゴリズムが存在する.悪条件問題とは微小な摂動により正則問題とできるような非正則問題のことであり,応用上も重要である. まず,悪条件問題の典型例である,有限の双対ギャップがある悪条件半正定値計画問題の構造を解明した論文を執筆した.論文は,主問題と双対問題の最適値の差が有限であるような半正定値計画問題について,双対問題の線形等式制約を緩める(無視する)ことで「主問題と最適値が同じとなるような双対問題の緩和問題」を作れることを示したものである. 次いで,悪条件な問題に対する摂動解析の研究を行った.悪条件問題を解くために,摂動して正則な問題を作る.半正定値計画問題では,摂動をゼロに近づけると非ゼロ双対ギャップが存在しても,摂動した問題の最適値は,主問題と双対問題の最適値の中間に収束することが証明されている.これを一般の凸最適化問題に拡張する問題に取り組んだ. また,情報幾何とユークリッド的 Jordan 代数と内点法の計算複雑度の間の関係を論文にまとめた.情報幾何の2重自己平行部分多様体の Jordan 代数による特徴づけを与え,中心曲線の情報幾何的曲率積分と主内点法の計算複雑度の関係を論じた. さらに,悪条件線形計画問題に対する取り組みとして,2層のみからなる層別最小二乗法に基づく線形計画問題に対するスケーリング不変な多項式時間アルゴリズムについて,海外の有力研究者が来日したことを機に研究を進めたが,こちらも年度中に顕著な成果を得るには至らなかった.今年度はモデリングに関する研究が十分に進めることができなかったが鋭意取り組んで行く計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪条件の凸最適化問題の摂動解析について,論文執筆には至っていないものの,取り組むべき問題と方向性が定まりつつあり,一年間で一定の結果が得られる可能性が十分にあるから.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症モデルの最適化など,最適化モデリングの問題に力点を置いて研究する.
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