2021 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーション環境との共進化による新しい輻輳制御アルゴリズムの自動生成
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21H03414
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
阿部 洋丈 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00456716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 瑞起 筑波大学, システム情報系, 准教授 (10512105)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターネット / 輻輳制御 / 機械学習 / 共進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
当年度は、提案方式のプロトタイプ実装と、それを用いた評価に主に取り組んだ。我々の提案方式のベースとなるアイディアは、エージェントとしての輻輳制御アルゴリズムと、それの実行環境としてのシミュレーションシナリオの共進化である。当年度に実現したプロトタイプ実装は、そのベースに加えて、Quality Diversity (QD) の考え方に基づいて多様性の高い初期エージェント群を用いることで効率的な共進化を促進するというものであった。それを用いた結果は、既存の(人間の手による)アルゴリズムに比肩するようなものは得られなかったものの、既存のアルゴリズムにみられるような周期性を示す個体が確認された。その成果についてまとめた論文は、人工生命分野における国際会議 ALIFE 2022 で採択された。
前述の取り組みに加えて、当年度は、エージェントの表現方法についての改良の検討を行った。現在は、Grammatical Evolution を用いて、ビット表現とプログラムコードの対応をとっている。しかし、GE をそのまま使った場合は、異なるビット表現が同一のプログラムコードに対応してしまうケースが発生しやすいという課題がある。我々は、そのような問題の発生を解決するための改良版である Structured Grammatical Evolution を使った場合に、我々の提案方式にどのような影響が表れるかを評価した。その結果、これまでよりもより既存アルゴリズムに近い挙動を示す個体が確認された。その結果は次年度の情報処理学会オペレーティングシステム研究会で報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響による半導体不足のため、評価実験の実行に用いる計算機の調達に遅れが生じた。しかし、代替の計算機の確保により、その影響を最小限に抑えて、研究計画を概ね予定通り進行させることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当年度に調達できなかった評価実験用計算機の調達を再度行い、研究実施体制の整備を進める。また、当年度に評価を実施した方式をベースに、評価関数に通信の公平性を組み込むことで、より優れた輻輳制御アルゴリズムの生成を目指す。
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Research Products
(1 results)