2021 Fiscal Year Annual Research Report
更新を対象としたデータ相互運用問題のソフトウェア基盤技術
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21H03419
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
加藤 弘之 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (10321580)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | データ相互運用問題 / ビュー更新問題 / データログ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近年その有効性が示されているP2Pアプローチによる「データ相互運用問題」において、各ピアの自律性を維持しながら、更新を考慮したソフトウェア基盤技術を開発することである。更新を対象とすることで、複数ピアによる協調データ科学などの応用範囲が広がる一方で、(1)更新伝播による副作用と(2)互いに矛盾するデータの管理が問題となることが知られている。(1)の問題は「ビュー更新問題」に帰着できるので、研究代表者の最近の成果である「ビュー更新問題の解決法」を適用することで解決する。また(2)の問題に対しては「ビュー更新問題の解決法」の合成を用いて解決にあたる。 本年度の成果は、当初の研究計画に従い(1)更新伝播による副作用の問題について以下の取り組みを行なった。まず、これまでの成果である「ビュー更新問題の解決法」は、更新された結果の状態に基づいたものであったが、これをデータに対する更新操作に基づくものへと拡張を行なった。 具体的には、これまでの成果である、有効性が確認された「状態に基づく解決手法」は論理型言語Datalogで記述されているが、これを仕様としてそこから「更新操作に基づく」Datalog式への正しい導出手法を開発した。更に、データベースに対する更新操作はSQLを用いてなされるので、SQLのINSERT文, DELETE文, UPDATE文をdelta-Datalog式に正しく変換する手法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの成果を踏まえ、SQLの更新文から変換されたdelta-Datalog式を、有効性が確認された更新操作に基づくDatalog式に展開することで、接続されたピアに対する更新操作を得ることができるアルゴリズムを開発する。 このとき、INSERT文とDELETE文については変換されたdelta-Datalog式をそのまま展開すれば良いが、UPDATE文は-Datalog式と+Datalog式を組合せて実現するため、-Datalog式を適用した後で+Datalog式を適用する際に正しい結果が得られる工夫が必要となる。特に、実行効率を考慮に入れた手法を開発する予定である。
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