2022 Fiscal Year Annual Research Report
Beyond 5G時代を支える状況変化適応型Fiber Wireless制御技術
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21H03422
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 寧 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00236168)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光通信 / 無線通信 / IoT / Beyond 5G / ネットワーク統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高速低遅延かつ高密度な通信を実現するBeyond 5G技術の有力な選択肢として注目が集まっているFiWi(FiberWireless)システムに着目し,多種多様なサービスが混在する環境においても高品質な通信サービスの提供を可能にする技術の開発を目指す. 本研究では3つの課題に取り組む.一つ目の課題1では動的設計理論の確立を行う.ここでは,本研究の核心となる動的設計理論を構築するために欠かすことのできない2つの機能(要求特性推定モデルと供給能力推定モデル)に関して研究を実施する.続いて,二つ目の課題2では状況変化適応型FiWi システムの知的制御エンジン設計を行う.課題1 で確立した動的設計理論をFiWi システムに適用し,知的制御エンジンを設計する.知的制御エンジンの目的は,サービス毎・通信基地局毎に,推定した通信要求特性を基に通信エリア全体の通信端末のサービス品質を安定的に満足するための周波数・機能構成を決定することである.本研究では周波数利用効率が最大となる無線と光の帯域幅の組み合わせを決定することで,突発的に発生する通信要求の増加あるいは供給能力の低下に対するロバスト性を向上させる.最後に課題3では実証実験を行う.実験用システムを用いて動的設計理論と知的制御エンジンの高度化と最適化のためのシミュレーション及び実証実験を実施する.最終的に提案システムでは,空間的・時間的に状況が変化するBeyond 5G異種ネットワーク環境におけるサービス品質保証端末数を従来の2倍(動的割当て可能リソースを全体の半分とした場合)に向上させる. 本年度は,昨年度に確立した動的設計理論をFiber Wireless システムに適用し,知的制御エンジンを設計した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,当初の計画通り,課題2の知的制御エンジンの設計をおkなった.次年度の研究に関しても検討を進めており,本研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は本年度までにに設計した知的制御エンジンの高度化と最適化に関するシミュレ―ションを実験用システムを用いて行う.その際には,OLT,ONU,スプリッタ,光ファイバーケーブルから構成されるPONシステムのONU側にRH(Radio Head)を接続したシステムを構築し,最大端末100台の通信トラヒックを疑似的に発生可能なエミュレータを用いて,多種多様な端末・サービスが高密度に配置された環境を模擬する.その環境において,はじめに小規模なシミュレーション実験で提案技術の有効性を検証し,それから実験規模を100台に拡大し,様々なスケールに適応可能な技術を開発していく.
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