2021 Fiscal Year Annual Research Report
処理性能の不確定性を考慮したサービスチェインのマッピングとスケジューリング方式
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21H03426
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大木 英司 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70524156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 丈博 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40793279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワーク機能仮想化 / マッピング / スケジューリング |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワーク機能仮想化技術の活用により、ソフトウェア化された複数のネットワーク機能を組み合わせたサービスチェインと呼ばれるネットワークサービスが提供される。高効率で低遅延なサービスチェインを提供するためには、サービスチェインをネットワーク上のノードにマッピングし、各ノードにおいてネットワーク機能処理のスケジューリングを行う必要がある。従来研究では、ネットワーク機能の処理性能が変動しない(確定的である)と仮定して、マッピングおよびスケジューリングが行われていた。しかし、実運用上は、ネットワーク機能の処理性能に不確定性が存在し、処理時間が変動する可能性がある。本研究では、ネットワーク機能の処理性能に不確定性がある条件下で、高効率かつ低遅延なサービスを実現するマッピング・スケジューリング方式の基盤技術を確立する。
サービスチェインの設定要求の集合があらかじめ与えられる静的シナリオに対して、サービスチェインマッピング・スケジューリング方式を開発した。数理モデルを定式化し、本問題の計算複雑度を明らかにした。ネットワーク仮想化技術の特性、および、ロバスト最適化の知見を活用して、virtual network function (VNF) 処理時間の変動範囲を表す不確定性集合を定めた。不確定性集合に対する最大のメイクスパンを算出するために、実行可能解のインスタンスを抽象グラフとして表し、抽象グラフに対して最大のメイクスパンを求めるアルゴリズムと動的最適化手法を適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所望の最適化問題の規模に対して、実用的な計算時間でサービスチェインマッピング・スケジューリングを計算できない場合を考慮し、発見的アルゴリズムを開発した。VNF処理時間の不確定性を考慮した最適化問題の解に対するメイクスパン(開発方式)と、不確定性を考慮しない最適化問題を解いた後で不確定性を考慮して求めたメイクスパン(従来方式)とを比較して、前者が後者より短くなることを示した。また、開発方式によるメイクスパンの削減率とVNF処理時間の変動範囲との関係を明らかにした。発見的アルゴリズムについては、最適化手法を適用した場合と同程度のメイクスパンの削減率が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
サービスチェインの設定要求と削除が繰り返される動的シナリオに対して、サービスチェインマッピング・スケジューリング方式を開発する。動的シナリオでは、静的シナリオの検討結果を活用するとともに、VNF処理の途中で新たなサービスチェイン要求が発生した場合の対応ポリシーを検討する。多様かつ存続期間の短いSCの設定要求を想定し、最適化手法と発見的アルゴリズムを適用した際の性能を評価する。静的シナリオと同程度のメイクスパンの削減率が達成できることを目標とする。
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Research Products
(55 results)