2021 Fiscal Year Annual Research Report
Moving sensation control with auto-driving XR mobility platform
Project/Area Number |
21H03484
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
神原 誠之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (10346306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 格 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (70323277)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自動走行 / 快適性 / 拡張現実感 / 移動感覚制御 / 陰消現実感 / 加速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動走行における快適性向上を目的として、搭乗者に知覚する加速度への影響に関して以下の研究項目の検証を行った。 研究項目1-1:視覚刺激提示による乗り心地向上技術の開発 これまでAR提示を用いた車両搭乗者の速度感操作を目的として、実シーン上に重畳提示したバーチャルパターン(CGライン)の配置や移動速度を適切に制御することにより、速度感覚が変化することを明らかにしている。本年度は、身体にかかる加速感刺激を低減させることを目的として,バーチャルパターンを使用せず、全方位カメラで撮影された実映像を加工することで、実際の車両の挙動変化を前もって搭乗者に知覚させ,予備動作を喚起する映像の生成と提示方法の検討を行った.その結果,投影面の変形による提示映像の変換が車両の挙動変化時に感じる加速感や減速感を低減させることが確認された。 研究項目1-2:力覚(座面)制御による移動感覚軽減手法の開発 本研究では,自動運転時の搭乗者の快適性向上を目的とし, 自動走行環境内での,アクチュエータ搭載シートとマルチモーダルVR/ARシステムを用いて,搭乗者の移動感覚を制御することができるXRモビリティプラットフォームの構築を行った。構築したシステムを用いて、視覚・力覚を統合した移動感覚の軽減手法の開発を行った。その結果、実際に自動走行車両に搭乗した被験者に対し、頭部装着型ディスプレイによる映像提示と座席傾斜制御を行うことで、搭乗者の移動感覚の軽減されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動走行における快適性向上を目的として、自動走行車両内に設置されたアクチュエータにより傾斜可能なシートと没入型ディスプレイによるマルチモーダルVR/ARシステムを用いて、車両内でマルチモーダルVR/AR環境を提示可能なXRモビリティプラットフォームの構築を行った。また、身体にかかる加速感刺激を低減させることを目的として,車両の挙動変化を前もって搭乗者に知覚させ,予備動作を喚起する映像の生成と提示方法の検討を行った.実験は,加速度に応じて投影面形状を変形させた全方位映像を電動車椅子搭乗者にHMDを用いて提示するという方法で行い、その結果,投影面の変形による提示映像の変換が車両の挙動変化時に感じる加速感や減速感を低減させることが確認された. さらに、構築したシステムを用いて、視覚・力覚を統合したマルチモーダルシステムによる加速度で制御を行うことで、移動感覚の軽減手法の開発を行った。自動走行による実車走行による実験の結果、頭部装着型ディスプレイによる映像提示と座席傾斜制御を行うことで、搭乗者が知覚する移動量が有意に低減されることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
自動走行における快適性向上を目的として、以下の研究項目を実施する。 研究項目1:視覚刺激提示による加速度感覚の操作 これまでに考案した視覚提示による予備運動発生法とその加速度感軽減への影響を、XRモビリティに搭載された没入型マルチモーダルVRシステムを用いた実証実験を通じて調査・検証し、視覚刺激による自動走行車両の快適性向上の高度化を目指す。加えて、速度感に影響を与える映像効果と組み合わせることにより、搭乗者が知覚する「移動感覚」のコントロール法について検討する。また、コーナリングや搭乗者が進行方向を正視していない状況を想定した映像生成・提示法についても検討を進め、実走行により近い状況への対応を試みる。力覚提示との組み合わせによって映像提示の効果がどのように変化するか調査を行い、力覚刺激提示による移動感覚低減現象との統合法について検討する 研究項目2:力覚刺激提示による移動感覚低減現象の解析 これまでに開発した力覚制御手法を活用し、搭乗者への平行移動加速度刺激を低減させることで、自動走行環境下において移動感覚そのものを消失させる技術の開発を行う。XRモビリティに搭載された没入型マルチモーダルVRシステムによって視覚・力覚の提示することで、平行移動の加速度刺激を低減させる手法の開発を試みる。具体的には、力覚提示に関しては、人間の直線加速度の知覚器官である前庭の水平と垂直方向への感度の違いを利用し、発生した平行移動の加速度刺激を最低限に抑える技術を開発する。前後左右の統合的な移動に対して実際に自動走行環境における加速度刺激の低減効果を検証するとともに、発進・停止・右回転・左回転を個別に評価実験することで、搭乗者が知覚する「移動感覚」の減少量の解析を実施する。
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