2022 Fiscal Year Annual Research Report
偏光を用いた視線計測技術の確立と多様なディスプレイ環境への応用
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21H03486
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
竹村 憲太郎 東海大学, 情報理工学部, 教授 (30435440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長松 隆 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80314251)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視線計測 / 偏光 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,多様なディスプレイ環境の一つとして,大型・近接のディスプレイを対象に偏光を用いた注視点推定手法の実現に取り組んだ.個人利用のコンピュータ環境においても,40インチを超える大型のディスプレイが利用されるようになってきているが,従来の視線計測手法ではディスプレの外側に近赤外光源を配置するため,眼球の姿勢が大きく変化する大型・近接のディスプレイ環境では光源の角膜反射像が得られずに視線計測が困難となる場合があった.そこで,令和3年度に実現した偏光による基準点の提示手法を用いて,50インチのディスプレイに対する視線計測・注視点推定を行った.具体的には,偏光カメラで観測した角膜表面の画像から偏光特徴点を抽出し,それをグリントの代わりに用いて注視点を推定した.偏光のパターンを用いた基準点提示では,基準点の提示する位置がディスプレイ上となるため,眼球の姿勢が大きく変化した際も観測が可能であった.また,複数のディスプレイを区別するために,基準点をマーカに拡張することにも取り組んだ.角膜表面の反射画像からマーカを抽出し,それらを基準点として注視点の推定が可能であることを確認した.視線計測では,角膜に反射する基準点に加えて瞳孔中心の座標を用いるが,瞳孔中心の検出には近赤外線の照射が必要となる.そこで,完全な近赤外線レスの計測手法の実現を目指し,深層学習を用いた虹彩追跡手法を実装したところ,照明変化による精度低下を抑制できることが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習による虹彩検出については,検出の精度が十分とは言えないため引き続き改善が必要であるが,令和4年度の目標は概ね達成していることから,順調に進展しているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
マーカから基準点を抽出する視線計測手法では,精度向上に向けてマーカの検出精度を改善する必要がある.そこで,令和5年度は,マーカの検出精度の改善に取り組む.
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