2021 Fiscal Year Annual Research Report
知識埋め込み型ベイズ深層学習の提案と希少データ解析への応用
Project/Area Number |
21H03511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
早志 英朗 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (00790015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古居 彬 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (30868237)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ニューラルネットワーク / 深層学習 / ベイズ推定 / 希少データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,希少データのための機械学習手法の開発とその実応用である.本研究は,(A) 特殊な分布を利用したBayesian Deep Neural Network (BDNN)の開発,(B) 計算グラフを利用した確率モデルのネットワーク埋め込み,(C) 希少データ解析への応用から構成される.各項目に関連する研究実績は以下の通りである. (A) 平均や分散に加え歪度や尖度を表現できるJohnson SU分布を利用したニューラルネットワークを提案し,生体信号識別へ応用した(Hayashi et al., IEEE Access, 2021).また,畳み込みニューラルネットワークにおいて広く用いられるプーリング層を学習可能にするための特殊なレイヤーを提案し,提案レイヤーを用いることでノイズに頑健な識別ができることを示した(Otsuzuki et al., MIRU, 2021). (B) ネットワーク展開に向けたベースとなる確率モデルを複数提案した.第一に,尺度混合確率モデルを提案した(Furui et al., Expert Systems with Applications, 2021).提案モデルでは,筋電信号の分散を確率変数として表すとともに,複数の尺度パラメータを持つ分布を混合して用いることで,分散の不確実性を表現できる.第二に,尺度混合確率モデルを隠れマルコフモデルの各状態における分布として用いることで時系列を表現できるように拡張した,隠れマルコフ尺度混合モデルを提案した(Furui et al., EMBC, 2021). (C) 上記(A)および(B)で提案したニューラルネットワークや確率モデルを,生体信号解析へ応用した.特に,筋電信号を用いた動作認識タスクおよび脳波信号を用いたてんかん発作検出タスクにおいて従来手法を上回る性能を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画通り(A) 特殊な分布を利用したBayesian Deep Neural Network (BDNN)の開発,および(B) 計算グラフを利用した確率モデルのネットワーク埋め込みへ重点的に取り組み,独自のニューラルネットワークや確率モデルを複数の国際ジャーナルや国際会議論文として発表でき,一定の成果を上げられたと言える.さらに,当初は次年度の計画に含まれていた(C) 希少データ解析への応用についても筋電識別や脳波識別においていくつかの成果を上げることができ,当初の計画以上に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は確率モデルやニューラルネットワーク開発に関して継続的に進めつつ,(C) 希少データ解析の応用へ重点的に取り組む.特に,医用データを中心に,生体信号,医用画像,インタフェース応用を計画している.本研究で対象となるデータは,データ数が希少かつ,事前知識が得られ,実応用性が高いデータである.そのような条件に,データ計測やラベル付けのコストが高く,かつ医学分野における莫大な知見の存在する医用データは適切である.実際に使用するデータは,一部は医師と協力して実際に収集し,一部はオープンデータを使用する.
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