2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21H03540
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯村 彰宏 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定助教 (70512466)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 人工遺伝子回路 / オルガノイド / 分節時計 / 光遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工遺伝子回路を活用した合成生物学の発展は、広範な細胞機能の再構成や人工操作を可能にしてきた。しかし、哺乳動物細胞における動的かつ精緻な組織構築過程の操作に成功した例はほとんど報告されていない。これは、作製した人工遺伝子回路の動的特性を定量的に計測・評価することが困難で、人工回路の動作検証に有用な組織構築のモデル実験系が存在しなかったためと考えられる。もし、そのような一連の工程を実現する統合的なプラットフォームを整備することができれば、多細胞組織の動的な時空間パターンを制御・再構成するための革新的技術の確立に繋がると期待される。そこで本研究では、細胞自律的または非自律的に働く人工遺伝子回路を構築し、その動的特性を研究代表者が開発した遺伝子発現の光制御・光計測技術によって定量的に測定・評価する。そして、体節組織形成に必要な遺伝子回路を破壊した変異細胞集団の組織構築を、人工遺伝子回路によって回復させることを試みる。初年度は、人工遺伝子回路の動作検証に資する試験管内組織構築のモデル実験系の準備を進めた。その結果、最適な培養条件やイメージング・染色条件などが確立しつつある。また、細胞自律的な人工遺伝子回路を作成するための要素技術の開発に取り組んだ。さらに、非自律的に働く人工遺伝子回路を実装した変異細胞株を準備し、その機能性の検証を試みた。その結果、変異細胞と比較して組織構築の回復を示唆するデータが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、人工遺伝子回路の動作検証に資する試験管内組織構築のモデル実験系の準備を進めた。その結果、最適な培養条件やイメージング・染色条件などが確立しつつある。また、細胞自律的な人工遺伝子回路を作成するための要素技術の開発に取り組んだ。さらに、非自律的に働く人工遺伝子回路を実装した変異細胞株を準備し、その機能性の検証を試みた。その結果、変異細胞と比較して組織構築の回復を示唆するデータが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き試験管内組織構築系の確立に取り組むとともに、非自律的に働く人工遺伝子回路を用いた機能評価実験において複数の回路を用いた性能比較を行う。また、細胞自律的な人工遺伝子回路の作製と実装に取り組む。
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