2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Interoperable and Self-organizing IoT Service Infrastructure
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21H03556
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 冬惠 京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (90534131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 陽平 立命館大学, 情報理工学部, 准教授 (00435786)
大谷 雅之 近畿大学, 理工学部, 講師 (00782682)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Internet of Things / Webサービス / マルチエージェントシステム / IoTサービス基盤 / 強化学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
基盤研究課題1の「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」では、IoTサービスの異質性に対応するため、物理世界の各種IoTデバイスとインターネット上のWebサービスを相互運用可能なIoTサービス基盤のアーキテクチャを初期的に設計した。具体的には、まずIoTサービスの機能を軸に、IoTデバイスとWebサービスを横断する階層的なIoTサービスオントロジーを構築した。次に、WebサービスとIoTデバイスを一元的に管理するため、イベントベースの手法のためのIoTサービスインターフェスを設計し、イベント処理に基づくアーキテクチャを初期的に提案した。 基盤研究課題2の「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」では、サーバネットワークの自己組織化に取り組む研究を行った。IoT環境のサーバネットワークでは、IoTサービスに関わる大量なタスクを処理する必要があるため、集中処理型のクラウドサーバのほか、ネットワークに分散されるエッジサーバが多数配備される。IoTサービスからのデータ収集や簡単な計算処理は近いエッジサーバで行うことによって高速の応答が実現可能になる。一方、IoTサービスが動的に変化する場合が多いため、強化学習に基づくIoTサーバネットワークの自己組織化アルゴリズムを初期的に考案し評価した。 実証研究では、IoTサービス基盤をスマートホームにおける応用を初期的な実証環境を想定し、10種類以上のIoTサービスの標準インタフェースを開発し、対話エージェントに関する初期段階の実験を実施し評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」と「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」といった2つ研究項目から構成され、理論研究と共にIoTサービス基盤に関する実証研究を実施する計画である。初年度の令和3年度では、2つの研究課題に関して初期的に検討し、実証実験の準備を行った。 まず、IoTサービス基盤の相互運用性を保証するため、IoTサービスオントロジーを構築し、初期的なIoTサービス基盤をGithub上においてオープンソースソフトウェアとして公開し、電子情報通信学会論文誌において論文を発表した。次に、IoTサービスの様々な性質を考慮し、エッジクラウドの自己組織化メカニズムを初期的に考案し、その成果についてサービスコンピューティングやエージェントに関する国際会議ICSOCやIEEE ICAにおいて論文を発表した。現時点で得られたこれらの成果は、それぞれの研究項目に関して当初の目標を達成したと考える。また、実証研究においても、既にスマートホームを具体例としてIoTサービス基盤に関する初期的な実験を実施した。 以上より、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、基盤研究を進めるとともに実証研究の実施を行う。 基盤研究課題1の「IoTサービス基盤の相互運用性の保証」では、IoTサービス基盤の分散運用に向けて、独立して運用されているIoTサービス基盤を接続してIoTサービスを共有するための機構を構築する。具体的には、IoTサービス基盤において、ユーザ管理機能やサービス管理機能、基盤間の情報共有機能を実現する。 基盤研究課題2の「IoTサービス基盤の自己組織化の実現」では、分散と協調の観点で、いくつかのIoTサーバネットワークの種類を対象に自己組織化メカニズムを実現する。具体的には、IoT環境における様々な動的変化に対応するため、マルチエージェント強化学習の手法を用いて、サーバネットワークを自律的に再構成するアルゴリズムを開発する。 実証研究では、継続的にスマートホームなどにおける応用を実証環境を想定し、IoTサービス基盤の実験を実施し、IoTアプリケーションの開発コストやIoTサービス品質について評価を行う。
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Research Products
(8 results)