2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms for cell surface expression of chromatin in apoptotic cells
Project/Area Number |
21H03600
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩淵 邦芳 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10232696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逆井 良 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10549950)
松井 理 金沢医科大学, 医学部, 助教 (60288272)
砂谷 優実 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70581057)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
アポトーシス細胞の細胞膜表層に断片化されたヌクレオソームが露出することは、1994年に示されているが、露出の分子機構は不明である。細胞表層のヌクレオソームも含めて、アポトーシス細胞表層には補体C1qが結合する分子が複数存在し、アポトーシス細胞表層へのC1q結合は、食細胞(Phagocyte)によるアポトーシス細胞の貪食を助ける。アポトーシス細胞の速やかな貪食・除去は、自己免疫疾患を防ぐうえで極めて重要である。研究代表者は、DNA二重鎖切断修復タンパク質である53BP1が、アポトーシス細胞においてカスパーゼ依存性に切断されるもののC末断片が残存すること、53BP1欠損細胞ではアポトーシス細胞表層へのヌクレオソーム露出が減少することを見出した。本研究は、アポトーシスにおける53BP1の役割を明らかにすることを目的とする。 研究代表者は以前に、カスパーゼでの切断後に残存する53BP1C末断片を含む53BP1C末領域に結合するタンパク質Xを免疫沈降法と質量分析法で見出していた。今年度は、タンパク質Xが、アポトーシス細胞表層へのヌクレオソーム露出に関与するか否かを調べた。CRISPR/Cas9を用いてタンパク質Xを欠損させたJurkat細胞株を樹立した。タンパク質X欠損細胞では、アポトーシス誘導時の細胞表層へのクロマチン露出が減少した。しかし、タンパク質X欠損細胞では、増殖能やアポトーシス刺激に対する反応が野生型細胞とは異なっており、タンパク質Xの変異体を戻した細胞株を樹立することができず、タンパク質Xに関するさらなる詳細な機能解析が難しかった。そこで、タンパク質Xのノックアウトマウスを作製することとし、その準備を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タンパク質X欠損細胞を用いた実験がうまくいかなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ球特異的にタンパク質Xを欠損するノックアウトマウスを作製し、タンパク質X欠損リンパ球を用いてクロマチン露出実験を行う。
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