2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of evaluation method of airborne nano- and micro-plastic particles
Project/Area Number |
21H03618
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古内 正美 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (70165463)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 光彦 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (00334756)
和田 匡司 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00413766)
池盛 文数 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (00773756)
鳥羽 陽 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 教授 (50313680)
松木 篤 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 准教授 (90505728)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ナノ粒子 / プラスチック / 大気汚染 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,海洋などの環境中のマイクロプラ樹脂(MPs)に関わる報告が急増し,その原因となるプラ樹脂廃棄物投棄の問題,それによる生体・健康影響への関心が高まっている。しかし,気圏・水圏・地圏の相互依存性を考えれば,地表から大気への粒子輸送,微細プラ樹脂粒子の気圏・水圏相互輸送が存在すると考えられるにも関わらず,その実態に関する情報は極めて限定されている一方で,プラ樹脂が大量に野焼きされる途上国では,大気中には「プラ樹脂燃焼由来成分を含む微小粒子・ナノ粒子」や「プラ樹脂未燃粒子」などが大量に浮遊している状況が推察される。燃焼生成物を含むプラ樹脂由来粒子の存在状態を明らかにしなければ,プラ樹脂由来粒子による環境汚染の全体像を把握してその環境・健康リスクを議論し,適切な対応を講じるのは難しい。従って,存在状態とその由来を特定するための手法の確立とそれによる実態の把握は急務である。 本研究は大気中のこれらプラスチック由来成分の影響を評価する手法を確立することを目的とし,1年目として,既知のプラスチック樹脂のラボ燃焼実験に基づいて,様々な燃焼条件下で発生するプラスチック燃焼起源粒子の特性を明らかにすることを目的として,1)燃焼実験装置の試作とその特性の評価,2)代表的なプラスチック樹脂の燃焼で生成する粒子の発生量,粒子径分布,炭素成分に関する基礎情報を収集した。燃焼温度や雰囲気等の燃焼条件を管理できる試験用管状炉内に一定量の既知のプラ樹脂試料を置き,清浄・乾燥空気を一定流量で供給して加熱・燃焼させた。燃焼排ガスを直列2段希釈器で最大100倍に希釈し,カスケード・エアサンプラ(以下ANS)で生成粒子をフィルタ上に捕集した。本研究では,PPを供試プラ樹脂試料として用いて,試験装置・方法の検討・整備とPP燃焼生成粒子の基礎的特性を把握し,大部分(80%以上)の粒子が0.1μm以下で排出されることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた項目は,過去の既存試料の分析と実験であったが,コロナ禍の制限にあって予定より遅れている。次年度は人員を強化し,この遅れを取り戻す予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
試作した燃焼実験装置は高温燃焼時にブランクが高く出ることが判明しており,現在調整を進めている。この燃焼実験と,予定していた既存試料の分析,新規試料の採取を予定通り進める予定であり,研究の方針に大きな変更はないが,研究補助の学生を活用し,研究の遅れを取り戻し推進する予定である。
|
Research Products
(13 results)