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2021 Fiscal Year Annual Research Report

生ごみ自然乳酸発酵制御による効率的なメタン発酵原料収集手法の確立

Research Project

Project/Area Number 21H03663
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

大土井 克明  京都大学, 農学研究科, 助教 (90372557)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 酒井 謙二  九州大学, 農学研究院, 教授 (50205704)
田代 幸寛  九州大学, 農学研究院, 准教授 (90448481)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsメタン発酵 / 自然乳酸発酵 / 資源循環
Outline of Annual Research Achievements

自然乳酸発酵処理を行ったカット野菜工場残渣のメタン発酵,および実生ごみの中温乳酸発酵とその試料からの乳酸生産菌の分離・同定を行った.
本研究開始前の予備実験で確立していた,カット野菜工場残渣への自然乳酸発酵処理によりメタン発酵試験の基質を生産し,バッチ試験および連続試験を行った.バッチ試験では発酵槽として500 mLのメジューム瓶を使用し,連続試験では塩化ビニル製の4.5 L発酵槽を使用した.バッチ試験では未処理基質区,乳酸処理基質区,種汚泥区を設定し,各基質区のガス発生量から種汚泥区のガス発生量を減じたものを基質由来のガス発生量とした.ガス発生量測定用に各試験区で3反復で行い,pH測定用に追加で各試験区に1つ発酵槽を用意した.ガス発生量は試験開始後24時間で,未処理基質の方が多かったがCO2の割合が高いことが分かった.pH測定用の発酵槽は測定時に蓋を開放し内容物をスポイトで取り出し,pH測定後に発酵槽に戻すという処理を行うため,当初はガス量を測定していなかったが,各試験区でガス量測定用の発酵槽より発生ガス量が多いことが判明した.
連続試験では,塩化ビニル製の発酵槽を製作し,中温未処理基質区,中温乳酸処理基質区,高温未処理基質区,高温乳酸処理基質区でそれぞれ2反復で行ったが,ガス発生量が安定しなかった.発酵槽蓋からのガス漏れが疑われるため,蓋のみステンレス製のものに変更し,次年度に試験を行う.
実生ごみの中温乳酸処理では種菌を接種しない自然乳酸発酵,および堆肥由来の種菌,4種のぬか床由来の種菌を接種したものを比較した.自然乳酸発酵では試験開始後48時間での乳酸濃度が種菌を接種したものより低いが,最終的には同程度の濃度となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

メタン発酵のバッチ試験において,当初想定していなかった現象が観察された.具体的にはpH測定用の発酵槽がいずれの試験区においてもガス量測定用の発酵槽よりガス発生量が多いことが判明した.pH測定用の発酵槽は測定時に蓋を開放するため,一時的に空気が混入する可能性がある.そこでpH測定用の発酵槽とpH測定なしで蓋を開放する発酵槽を設定し,両者を比較したが,pH測定用の発酵槽のガス発生量が多かった.この現象については引き続き2022年度に試験を行い,メカニズムを解明する必要がある.
メタン発酵の連続試験は発酵槽の設計に時間がかかり,また納入業者の製作ミスなどもあり納品が大幅に遅れた.納入された発酵槽で試験を開始したが,ガス発生量が安定しなかったため,2022年度に向け蓋の材質を変更した.
乳酸発酵処理試験については概ね計画通りに進行している.

Strategy for Future Research Activity

メタン発酵試験においては,バッチ試験でのpH測定用発酵槽でのガス発生量が多くなる現象を解明する.これまでのところ蓋を開放することで若干の酸素が発酵槽内に混入することによる効果ではないかと仮説を立てたが,蓋を開けるだけでは同等のガス発生量とはならなかった.今後は内容物の一部を吸い上げ,pH測定には供せず発酵槽に戻すことで同じ効果が得られるか試験を行う.
連続試験では,ガス漏れ対策を行った発酵槽により試験を行う.
乳酸処理試験については自然乳酸処理でも,種菌を接種したものと同等の乳酸濃度になることが判明したが,立ち上がりがやや劣るところがみられたので,実用化に向けて立ち上げ時のみ接種することを検討する.また,現在はバッチ試験のみを行っているが,実用化を視野にセミバッチを検討する.1週間での回収を想定し,発酵槽の約1/7を乳酸発酵済みの生ごみが入っている状態を初期状態とし,月曜日から土曜日まで発酵槽の1/7量の生ごみを投入し,翌週の月曜日に発酵槽内の6/7を排出する.これにより安定的に乳酸発酵が継続するための運転条件を決定する.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 生ごみ乳酸発酵原料のメタン発酵特性2022

    • Author(s)
      檪原ひな,大土井克明,中嶋洋,宮坂寿郎
    • Organizer
      関西農業食料工学会第147回例会
  • [Presentation] メタン発酵におけるアンモニア阻害の発生条件2022

    • Author(s)
      小池遼,大土井克明,中嶋洋,宮坂寿郎
    • Organizer
      関西農業食料工学会第147回例会
  • [Presentation] 乳酸発酵前処理を行った生ごみのメタン発酵特性に関する研究2021

    • Author(s)
      周覓涵,大土井克明,中嶋洋,宮坂寿郎
    • Organizer
      関西農業食料工学会第146回例会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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