2022 Fiscal Year Annual Research Report
高強度な材料創製を伴った竹バイオマス粒子からの石炭に匹敵する高位発熱量の燃料創製
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21H03664
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田之上 健一郎 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (70293892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合田 公一 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (10153743)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 半炭化 / シナジー効果 / バンブーセラミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
TS = 523 K以上では,熱分解温度が高くなるにつれてHHVも増加する傾向が見られた.また,杉粒子はTS = 573 Kで石炭のHHV(25~30 MJ/kg)に匹敵することがわかった.これは,高温になるにつれ,燃焼に寄与しない低揮発性物質がガス化し,可燃性成分の割合が向上したためだと考えられる.繊維状バイオマス粒子の方が低温で黒色化および質量減少が生じた.そのため,繊維状バイオマス粒子の方が,低温で熱分解が促進されることが示唆された.また,両試料とも質量減少直後に,完全に黒色となっている.これは,質量減少は揮発分の放出によって生じたものであり,そのために炭化が急激に進み,試料が黒色になったと考えられる.次に,TG測定で得られた収率曲線上に,体積比RVをプロットした. これより,各種試料ともに,半炭化温度域で熱分解ガスが発生し,膨張すると同時に,粒子内部の組織が破壊されることによる内部破裂,質量減少が起こることが示唆された.また,繊維状バイオマス粒子における質量減少は,杉粒子よりも広範囲温度で反応が続くことが分かった. 竹紛1wt%とPPを混練し,射出成形により試験片に加工して引張試験を行った.竹紛を混錬させることで引張強さはPP 単体に比べると高いものの,破断ひずみはわずか1wt%の含有率にもかかわらず大きく減少することがわかる.一方で分級竹紛より微粉砕竹紛が破断ひずみにおいて優れていることが確認できた.原因として前者は寸法が大きいことで亀裂が入りやすくなった可能性が考えられる.また,形状・寸法の観察時に細長い繊維以外に竹紛の凝集体が存在し,これが低ひずみの原因になったと考えられる.凝集なく均一に分散させることが必要となることが分かった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初令和4年4月に半炭化、バンブーセラミックの製造を行う予定であったが、研究室の粉砕機で微粒化する方法で研究を実施した方が効率的であるため、繰越後の当初事業計画を見直した。さらに、半炭化時の収率測定、質量変化測定および直接観察実験、バンブーセラミックスの製造を2022年度内に完了する予定であった.最終的には,2023年度までに完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
計画を見直し、竹粒子の微粒化工程を外注して実施する予定である.
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