2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study on Trans Border Activities of Non-state Armed Actors in the Middle East
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21H03683
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高岡 豊 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10638711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 健太 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (10769277)
青山 弘之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450516)
末近 浩太 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70434701)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非国家武装主体 / シリア / イラン / レバノン / イラク / 中東 / 部族 |
Outline of Annual Research Achievements |
レバノン国会議員選挙(2022年5月)の当選者名簿を作成した。名簿の作成により、各当選者が所属する会派・選挙連合・党派、及び各当選者の政治・社会活動歴、経歴を掌握し、本事業で研究対象としている非国家武装主体諸団体が、レバノンの国政にどのように関与しているのかを分析するために不可欠な資料を得ることができた。 シリアで活動する慈善団体の状況調査を実施した。慈善団体の多くは、シリア紛争(2011年~)の死傷者や避難民らの支援を行っており、本事業との関連では正規軍・治安部隊や民兵など各種非国家武装主体の動員解除や、戦死者・戦傷者への福祉給付のありかたを方向付ける活動を行っている。また、これまで進めてきた国会議員名簿の整備の結果、シリアの国会では慈善団体を背景とする議員も相当数存在することが明らかになった。慈善団体についての調査により、非国家主体の動員・動員解除・政治活動を、より長期的・多面的に分析する上で重要な成果を上げた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シリアの国会議員(2020年選出)を対象とする聞き取り調査を完了し、成果物の引き渡しを受けた。レバノンの国会議員選挙(2022年5月)の当選者名簿を作成するための調査を実施した。シリア紛争(2011年~)の戦死者家族・戦傷者・未亡人・孤児らを対象とする者を含む、シリア国内で活動する慈善団体の調査を行った。研究対象国(シリア、イラン、イラク、レバノン)での内閣改造などの人事変更に対応し、各国の要人名簿を更新した。各種名簿・リストの整備により、研究対象国での非国家武装主体の国政進出について必要な情報を取得することができた。 なお、研究成果のうち、イラン第13期大統領選挙(2021年):閣僚データベース(https://cmeps-j.net/ja/archives/7056)、シリアの議会の部族出身議員名簿(https://cmeps-j.net/cmeps-j-reports/cmeps-j_report_66)をオンラインで公開した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度、2022年度の調査の成果を基に、(1)レバノン、シリア、イラクの非国家武装主体や要人、それら活動の経歴や性質についてのデータベースの整備を完了する。データベースは、対象のプライバシー・人権、各種法規制に対応した上でオンライン、出版などの媒体を通じて公開する。調査結果の確認・裏付けのため、必要に応じて調査出張を実施する。なお、出張が困難な場合は、第三国での会合開催やオンラインでの会合開催などの代替措置を講じる。 内外の学会・学術会議などで、成果の発信と議論を通じた分析精度の向上を進める。調査や学会報告名での成果は、学術誌やオンラインを通じて公開する。
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