2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Basic Research on the Influence of Right to Life and its Philosophy in Social Movements
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21H03702
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
友常 勉 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (20513261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 榮蘭 日本大学, 文理学部, 教授 (30579107)
石田 智恵 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (50706661)
武内 進一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60450459)
上原 こずえ 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60650330)
キム ウネ 明治学院大学, 国際平和研究所, 研究員 (70875799)
野平 宗弘 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (80711803)
呉 世宗 琉球大学, 人文社会学部, 教授 (90588237)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生存思想 / 生存権 / 持続的発展 / 東アジア / アフリカ / アルゼンチン / ベトナム / 新左翼運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「社会運動における生存権・生存思想の影響とその射程に関する基礎的研究」の具体的内容は、ベトナム戦争末期で新左翼運動の退潮期にあたる1970年代の冷戦後期に、生存権を通して思想的転回を経験した地域住民運動・社会運動・文化運動が、単なる非西洋・反近代のオルタナティヴを追求する個別課題の地域主義から、開かれた対話を目指す国際主義の質を獲得した。本研究は、その源流と行方を思想・文学・アート・パフォーマンス芸術などの諸ジャンルのなかで見定め、ポスト冷戦期の南米・アフリカ地域での内戦の経験における生存思想の可能性も検証した。 本研究の意義は、民主主義的な持続的発展を可能にする条件を生存権・生存思想に見定め、その歴史的な形成過程を以下のテーマから取り組んだことにある。すなわち、沖縄の反開発・反基地運動・文化運動、独裁体制後の行方不明者の問題に取り組むアルゼンチンの日系人社会、内戦後の上からの土地改革に端を発したアフリカの土地紛争と社会的危機、ベトナム戦争後の社会の再建に取り組むベトナムの文学や宗教者、ポストベトナム戦争の社会・ポスト植民地主義を課題とする日韓の文学・思想運動における連帯、そして日本の新左翼運動の敗北と反差別運動の生成という歴史的過程の中に探った。加えて、文学研究・地域研究・思想史研究・文化運動を領域横断的に結びつけ、アートや演劇による生存思想の実践に対しても参与観察的に考察した。これによって地域研究の対象地域において生存思想が民主主義的な持続的発展に必要な条件を明らかにしたことに意義がある、 さらに、複数の地域研究の比較を実施し、そこで生起している土地紛争や社会開発のディレンマを、異なるディシプリンにもとづきつつ、共通の問題意識からアプローチしたことで、生存思想を核とした人文社会科学の構築の可能性を提起した点に重要性がある。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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