2023 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルスガンマ線を用いた陽電子寿命運動量相関測定法の開発と利用研究の推進
Project/Area Number |
21H03740
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
平 義隆 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 准教授 (60635803)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超短パルスガンマ線 / 逆トムソン散乱 / 逆コンプトン散乱 / 陽電子 / 寿命運動量相関測定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5(2023)年度は、UVSOR-IIIにおいて開発した高純度ゲルマニウム検出器とBaF2シンチレータの検出器対が2組のガンマ線誘起寿命運動量相関測定法(Gamma-ray induced age-momentum correlation: GiAMOC)を用いて、ポジトロニウム(Ps)が形成される高純度合成石英の測定を行った。直径5 mmの鉛コリメータを通過した最大エネルギー6.6 MeVの超短パルスガンマ線を大きさ30×10×10 mmの合成石英に照射し、合成石英から発生する消滅ガンマ線のエネルギー広がりと放出時間分布を分解能12bitのデジタルオシロスコープを用いて同時測定した。 合成石英の中で陽電子は、パラPs、自由陽電子、オルソPsのいずれかの過程で消滅する。パラPsは、125 psの寿命で消滅し、オルソPsの寿命は真空中で142 nsであるが、周囲の電子とのピックオフ消滅により1~3 nsの寿命で消滅する。パラPsのエネルギー広がりはオルソPsよりも小さいため、消滅ガンマ線のエネルギースペクトルのピーク形状を表すSパラメータが大きくなる。したがって、Sパラメータは時間経過と共に減少し、1 ns以上では一定となる。 開発したGiAMOCを用いて合成石英を合計35時間測定した。計数率は6 cpsであった。測定した合成石英のSパラメータの時間経過は理論通りの変化を示しており、GiAMOCの有用性を示すことができた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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